彼女が着席すると、今夜のアペリティフが届けられる。 アペリティフ・ド・メゾン、スリーズ。 サクランボのスパークリング・カクテル。 甘酸っぱい香りを持つが、口に含むときりりと締まった辛口。 「辛口で美味しい。この前飲んだアペリティフは桜で今夜はサクランボなのね。季節感があって好いわね」と、彼女。 「今夜はワイルド・チェリーのリキュールを使っているそうだよ」と、私。 彼女が到着する前にソムリエと話し、使用しているリキュールを確認しておいたのだ。 ヴーヴ・アンバルは今まで何度も私のブログに登場しているので、詳しい説明は省略。 アンバル未亡人が創設したクレマン・ド・ブルゴーニュ専業のメゾンで、ブルゴーニュのクレマンの始祖と言われている。 高品質の素晴らしいクレマンである。 ベレンツェン、ワイルド・チェリー。 ドイツ北部のハーゼルンネに本社を構える、ドイツ最大級のスピリッツ・リキュールのメーカー。 創業250年の名門である。 ソムリエの大友さんが、小さなリキュール・グラスで味見をさせてくれた。 チェリーの香りをいっぱいに持ちながら、それほど甘くなく、ほろ苦さも持つ。 小麦から造られたスピリッツを用い、アルコール度数は16%。 レフォールとは西洋わさびのこと。 春らしい素敵な料理だ。 ドメーヌ・クローディ・ジョパールが造る、リュリー・ブラン、モンターニュ・ラ・フォリ、2009年。 ドメーヌ・クローディ・ジョバールは、コート・シャロネーズに本拠を置く、女性がオーナー兼醸造家のドメーヌ。 クローディは代々醸造家の家系に生まれ、彼女で八代目。 母のローレンスは、メゾン・ジョセフ・ドルーアンで20年間醸造長を務めた人物で、退職後、クローディを醸造家として教育した。 クローディは世界各国のワイナリーで研鑽後、父親のぶどう畑の果実と実家のガレージを用いて、自らの小さなドメーヌを立ち上げた。 『ひらまつ』の直輸入品であり、『ひらまつ』のレストランでしか飲むことが出来ないワインである。 柑橘系の花、洋梨、そして蜂蜜の香り。 しっかりとした熟成感を持ち、酸とミネラルのバランスが良い。 ブルゴーニュのシャルドネのストライク・ゾーンが狭い彼女も、これは美味しいという。 このクローディ・ジョパールのリュリーを飲むのは確か二度目だが、以前より熟成が進んで美味しくなっていると思う。 鯛には、白いバターソースが良く合う。 桜鯛と桜海老、春を満喫できる一皿。 熟成の進んだシャルドネとも良く合い、とても美味い。 『ブラッセリー・ポール・ボキューズ』の夜は楽しい。 彼女と過ごす銀座の夜の続きは、また明日。
銀座の『ブラッセリー・ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
使われているスパークリングは『ひらまつ』の定番、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ミレジム、2013年。
前菜は、軽く燻製をかけた鱒のマリネ、レフォール風味のじゃがいものムースリーヌ。
シャルドネに合わせる魚料理は、愛媛県産真鯛のポワレ、彩春野菜と桜海老のブール・ブランソース。
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今夜は彼女と、ブラッセリー・ポール・ボキューズ、銀座 2
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