板橋仲宿のイタリアン、『ラ・ファミリア』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
ここはミシュランのビブグルマンに選ばれていたお店。
掲載された年のミシュランガイドが置かれている。
カヴァを飲み干すと、白ワインはグラスで。
イタリア、マルケ州の、テッレ・ヴェルディが造る、ベルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ・クラッシコ、2017年。
洋梨や青りんごの果物の豊かな香りを持ち、爽やかな酸味を持つ辛口。
本日のきまぐれ山盛りサラダ。
確かに山盛りで量がたっぷりある。
小皿に取り分けると、四皿分ある。
バゲットも注文。
なかなか出てこないと思ったら、こんがり焼かれて熱々の状態で届いた。
赤ワインはネッビオーロのボトルを出してもらい、バローロを選んだ。
ピエモンテ州のフォンタナフレッダが造る、バローロ、2014年。
フォンタナフレッダはミラフィオーレ伯爵が19世紀末に創設した名門ワイナリー。
伝統的な大樽で熟成されたバローロは、自然な果実味を持つ。
ブラックベリーやラズベリー、そしてカシスやスミレのニュアンス。
タンニンは豊かだが、綺麗に果実味に溶け込んでいるのでバランスが良い。
「やっぱりバローロは美味しいわね」と彼女。
「フォンタナフレッダのバローロを飲むのは、確か二年前の神楽坂のキャンティ以来だね」と私。
「覚えていない。貴方の記憶力には本当に驚かされるわ」と彼女。
「覚えているのは君と一緒に飲んだワインだけだよ」と私。
メイン料理は本日のおすすめから。
鹿ロースのソテー、赤ワインソース。
素晴らしい焼き色。
とても柔らかく、美味い。
バローロが進んでしまう。
二皿目のメインは、フランス産鳩のロースト。
鳩がリゾットの上に乗っている。
実はこのお店に来た理由は、この鳩。
彼女が鳩を食べたいということだったので、お店に鳩を仕入れてくれるように頼んで予約したのだ。
丸のままの鳩を見せてくれたあと、オーナーシェフの佐藤さんが一度皿を下げて捌いてくれた。
二人に取り分けるのは私の役目。
ドルチェは、二人ともティラミス。
この大きさが嬉しい。
ティラミスは美味しいが、残念ながらコーヒーは無い。
佐藤さんに見送られ、満ち足りた想いで店をあとにする。
帰り道で彼女の朝食用のサラダを購入。
商店街には綺麗なイルミネーション。
彼女と過ごす、板橋の夜は素敵に更けていきました。