代官山のフレンチ、『メゾン ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
二種類目のワインは、次の料理に合わせて出された甘口ワイン。
スッド・ウエストのドメーヌ・コアペが造る、バレ・ドクトーブル、ジュランソン、2018年。
このワインはパスリヤージュと言う方法で収穫されたぶどうで造られている。
完熟ぶどうを収獲せずに10月末まで樹に残し、ピレネー山脈から吹き降ろす冷たい乾燥した風にさらすことにより、糖度と酸度を高めるのがパスリヤージュ。
10月に畑でぶどうの実が風に吹かれて踊ることから、バレ・ドクトーブル=10月のバレエと名付けられた。
アプリコット、ピーチ、パッションフルーツのニュアンス、柔らかい果実味、後味にはキャラメル、カカオのヒント。
強い甘みを持ちながら、酸もしっかりあるので爽やかな飲み口。
ぶどうはプティ・マンサン100%で、樽熟成期間は5~6ヶ月。
ジュランソンを合わせた料理は、フォアグラのデクリネゾン、ソーテルヌのジュレとポルト酒のソース。
三種類の調理法のフォアグラの盛り合わせ。
フォアグラのソテー、ポルト酒のソース。
フォアグラの上にはグレープフルーツ。
フォアグラのテリーヌ、ソーテルヌ・ワインのジュレ。
濃厚なテリーヌが美味い。
フォアグラのフラン。
スープの下にはフランがたっぷり。
フォアグラの香りが素晴らしい。
アンディーブのサラダが添えられている。
濃厚なフォアグラに淡白で軽い苦みのあるアンディーブが良く合う。
大友ソムリエが、「フォアグラにシャンパーニュもご一緒にいかがですか」とすすめてくれるので、ジュランソンとシャンパーニュの並行飲み。
飲んでいるのは、ドゥラモット、シャンパーニュ、ブリュット、プール・ヒラマツ。
サロンの姉妹メゾンのシャンパーニュは美味い。
フォアグラを食べ終えると、ソーテルヌの白ワインが注がれる。
ジュランソンのあとにソーテルヌ、と驚かれる方も多いと思うが、これはソーテルヌで造られる辛口の白。
クロ・デ・リュンヌ、キュヴェ・リュンヌ・ダルジャン、2014年。
ペサック・レオニャンの銘醸、ドメーヌ・ド・シュヴァリエを擁するベルナール家がソーテルヌで造る辛口ワイン。
少しグリーンが入った透明感ある淡い黄金色。
グレープフルーツやライムの香り。
口に含むと、凝縮感のある果実味と熟成感、綺麗な酸味とミネラルがボディを引き締める。
後味にはハチミツの甘みとレモンピールの心地良い苦み。
セパージュは、セミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%。
僅かながら貴腐ぶどうが加えられており、それが奥行きのある豊かなボディを生み出している。
イトヨリ鯛のポワレ、生ハムとイカのフリット、トマトのフォンデュとサフランの香るソース・アンティーボワーズ。
皮目がパリっと焼かれたイトヨリ鯛の食感が素晴らしい。
イトヨリの下に敷かれているのはズッキーニ。
生ハムで巻かれたイカのフリットもソースを付けて食べると一層美味い。
ソムリエの大友さんが更にシャンパーニュを注いでくれたので、これで数杯目。
その上、ジュランソンを2杯、クロ・デ・リュンヌを3杯飲んでいるので、今夜は酔ってしまいそうだ。
外出自粛明けで、ちょっとはしゃぎすぎ。
隣のテーブルとの距離は数メートルもあるが、それでも広いサロンなのでテーブル数は多い。
営業再開後一週間となるが、毎日満席なのだそうだ。
テーブルの上には、グリーンのカーネーション。
代官山のフレンチ、『メゾン ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。