有楽町のメキシカン、『トロ・ガストロバー・トーキョー』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
カヴァの次は、メキシコの赤ワインを飲むことにする。
ラ・セットが造る、プティ・シラー、バハ・カリフォルニア、2013年。
イタリア移民のドン・アンジェロ・セットが、メキシコ北西部、アメリカとの国境の町、ティファナで1926年にワインの販売を開始したのが、ル・セットの始まり。
メキシコでのワイン生産は古く、スペイン征服後の16世紀末に遡る。
しかし近代的ワイン生産が始まったのは、20世紀に入ってから。
メキシコのワイン生産の中心地は、バハ・カリフォルニア(カリフォルニア州に隣接)沿岸で、ラ・セットもここのグアダルーペ・ヴァレーに1,000haを超えるぶどう畑を所有している。
ラ・セットで栽培されているぶどうはカリフォルニアと同じく、カベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、プティ・シラー、ソーヴィニヨン・ブラン等である。
私もメキシコでは毎晩メキシコ・ワインを飲んだが、面白いのはそのセパージュ。
スペインとカリフォルニアの影響を受けているため、テンプラニーリョとカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローがマリアージュされていたりするのだ。
上から、タマネギ、カジキマグロ、ビーフ、チキン、ラム、ソーセージで、重さは合計650g。
これが美味いのだ。
ヴォリュームもたっぷりで、ここの人気メニューである。
串に刺したままの状態で運ばれるので、目を引く。
二階のレストランのメニューであり、既にラストオーダー時間を過ぎた一階では本来食べることが出来ない料理なのだ。
それだけに周りの目を引き、何人もの人が振り向いてこちらを見ている。
ちょっと恥ずかしいような、得意なような不思議な気分。
う~ん、この香りがたまらない。
でも早く食べないと肉に火が通ってしまう。
美味い。
そこでテキーラを消化剤として飲むことにした。
飲み方は、メキシコ国旗と同じ、トリコロール(三色)。
テキーラ、サングリータ、ライム、そして塩。
サングリータは、オレンジジュース、スパイス等を入れたトマトジュース。
このテキーラは、テキーラ・マエストロの小山内さんが選んでくれたもの。
メキシコではイモムシ入りのテキーラを飲んでいたと話したので、特別な1本を選んでくれたのだ。
シナイ・メスカル、100%アガヴェ。
アルコール度数は40%。
シナイは、1942年にマルチネス・ヘルナンデスという人が設立した蒸留所のようだ。
テキーラの原料となるリュウゼツランに付く虫で、食用にされている。
このイモムシを乾燥させて粉にしたものと塩を混ぜた、茶色のイモムシ塩を舐めてテキーラを飲むと美味い。
彼女は気持ち悪いと言いながら、このテキーラは美味しいとのこと。
さて、お腹もいっぱいになったので、ホテルに戻る前にナイトキャップを飲みに行くことにしよう。
彼女との楽しい夜はまだ続きます。