『A16』での食事のあとは、すぐ隣の『マルゴ』で食後のワインを楽しむことにする。
『A16』でカデル・ボスコを1本飲んだが、彼女が赤ワインも1杯飲みたいと言い出したのだ。
頼んだグラスは、ドメーヌ・トプノ・メルムが造る、ブルゴーニュ・パストゥグラン、2011年。
トプノ・メルムは、1405年からモレ・サン・ドニでワイン造りを行う名門で、現在の当主は7代目。
1973年にはアンリ・ペロ=ミノの畑の一部を分割相続。
コート・ド・ボーヌとコート・ド・ニュイに畑を保有し、近年評価が高まっている。
ブルゴーニュ・ワインの価格が高騰する中で、パストゥグランは購入しやすいワイン。
パストゥグランはピノ・ノワールを1/3以上使用することが必要であるが、トプノ・メルムはピノ・ノワール50%、ガメイ50%で造っている。
口に含むと、自然なぶどうの果実味を感じる。
綺麗にまとまったミディアム・ボディである。
ぶどうは2001年からビオロジック栽培されており、ステンレス・タンクで10か月間熟成させてリリースしている。
隣の『A16』で昼食を食べ、スプマンテを1本飲んだばかりなので、量はいらない。
でも、この海の幸のマリネ、かなり美味い。
どちらも白ワインの方が合いそうなメニューだが、軽めの赤なので相性は悪くない。
このサーモンも肉厚でとても美味い。
最初は1杯だけの予定だったが、飲み始めるともう1杯飲みたくなる。
次のグラスは、マルセル・ダイスが造るアルザス・ルージュ、2011年。
マルセル・ダイスと言えば、アルザスの天才と言われる造り手。
創業は1945年と新しいが、アルザスに”テロワール”の概念を初めて持ち込み、1973年からはビオディナミを実践している。
マルセル・ダイスのワインは、フランスの高級レストランの多くでリストアップされているそうだ。
それは、ピノ・ノワール100%で造られているから。
少し濁ったルビー色。
沸き立つ果実香。
このクラスにしてはしっかりとした果実味とストラクチャーを持つ。
それにしても、今日は昼から飲み過ぎ。
ポカポカ陽気の外に出ると、気持ち良くなって寝てしまいそうだ。
彼女と過ごす、丸の内ブリック・スクエアの『A16』と『マルゴ』での美味しく楽しいランチでした。