
丸の内KITTEの『ドン・ピエール・ハート』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
シャンパーニュを飲み終えると、抜栓しておいた赤をテイスティング。
ルイ・ジャドの、ニュイ・サン・ジョルジュ、2010年。
ルイ・ジャドは大好きな造り手。
1859年創立の、ブルゴーニュ有数のドメーヌであると同時に、最大手のネゴシアンでもある。

色合いは綺麗なルビー色。
最初は香りも控えめでタンニンが硬い。
時間と共に熟成した果実の香りが現れる。
硬いタンニンもようやく殻を脱ぎ、豊かな果実味が出てきた。
ヴィラージュ物でも、ルイ・ジャドのワインは強くて美味い。

前菜、サラダに続いて選んだ料理は、トリッパのトマトソース煮。
これは私が大好きな料理。
「貴方はどこのお店でもこの料理を頼むわね。トリッパって、牛の何番目の胃なの?」

「二番目の胃、ハチノスだよ。日本語だと一番目から順番に、ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラ」
ここのトリッパ、とても美味いのだ。
あれ、今夜食べたカプレーゼにトリッパって、イタリアンでは?
そしてここはフレンチでは?

試しに「ここにはパスタってありましたっけ?」と聞くと、「置いてないです。フレンチですもの」とのこと。
トマトスープを最後まで食べ尽くすため、パンを追加してもらう。
焼いてくれたのは良いが、ちょっと焼き過ぎ。

メインは、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。
肉は口の中で溶けてしまうほど柔らかい。
これは最高に美味。

まだ赤ワインが残っているので、フロマージュを切ってもらう。
今夜のフロマージュは、カマンベール、ミモレット、ゴルゴンゾーラ、タレッジョ。
あれ、ゴルゴンゾーラとタレッジョはイタリア産だ。

デセールには、バニラのソルベを選んだ。
バニラを選んだ理由はただひとつ。
熟成させたバルサミコ(これもイタリア産)があまりに美味しいので、これを掛けて食べたかったのだ。

バルサミコをたっぷり掛ける。
彼女はバニラアイスにバルサミコを掛けて食べるのが大好きなのだ。

〆はホットコーヒー。
今夜のワインも料理も美味しかった。
丸の内の『ドン・ピエール・ハート』で彼女と過ごす素敵な夜でした。