
暑い毎日が続く。
そこで彼女を誘って、美味いエールを飲みに行くことにする。
向かった先は、八丁堀にある『麦酒倶楽部Hachi』。
数多くの種類のエールを楽しむことができるお店なのだ。

店の中は落ち着いた木質調の作り。
ロンドンのパブに居るような居心地の良さを感じさせる。
イギリスのパブでは立ち飲みが多いが、ここでは勿論着席できる。

最初の1杯は、ピルスナーから始める。
山梨のアウトサイダー・ブルーイングが造る、インキーパー・ビター・ラガー。
2014年のジャパン・ブリューワーズ・カップ・フェスティバルのピルスナー部門優勝のラガーである。
ホップの苦みが効いていて美味い。
喉が渇いていたのでグイグイ飲んでしまったが、アルコール度数が6%もあり結構酔いが回る。

私のお通しは、カボチャ。
彼女のお通しは、アボカド、グリッシーニ添え。
確かに彼女にはカボチャよりアボカドの方が似合う。

最初の料理は、彩り野菜のHachiサラダ。
新鮮な野菜を、アンチョビソースか粗塩に付けて食べる。
京都京丹後市のホワイトとうもろこし、北海道河東の越冬熟成インカの目覚め、沖縄宮古島のやわらかサラダ茄子、千葉木更津の有機JAS金美人参、徳島板野の幸せのハート&星形きゅうり、鹿児島指宿のサラダ赤オクラ、千葉木更津のむらさき大根、長野のカラフル・ミニトマト。

幸せのハート&星形きゅうりとは面白い。
四角いスイカは四角い箱に入れて育てるそうだが、これも成形しているのだろうか。
聞いてみると、収穫4日前にハートや星形の筒に入れるのだそうだ。

二杯目は、ヴァイツェン。
石川県の日本海倶楽部が造るヴァイツェンである。
他のビールが大麦で造られるのに対し、ヴァイツェンは小麦を50%以上用いている。
このため小麦のタンパク質によってビールは白濁し、ホワイト・ビールとも呼ばれている。
フルーティで爽やかな飲み口のエールだ。
日本海倶楽部のブラウマイスターは、チェコ、プラハ出身のユジ・コティネック氏とのこと。

このお店には、生ビールのタップが26個もある。
それだけ多くのラガーやエールを飲むことができるのだ。

マッシュルームのアヒージョ。
マッシュルームが大きいのでフライパンも大きく、オリーブオイルの量が半端でなく多い。
冷えたエールと熱々のマッシュルーム、とても美味い。

店に入ったとき、彼女がカウンター上に置かれた豚の脚の生ハムを見付けていた。
そこで、一皿分切り取ってもらう。
熟成が進み、ジューシーで美味い。

三杯目は、ペール・エール。
静岡県韮山の蔵屋鳴沢が造る反射炉ビア、ビター・エール。
イングリッシュ・スタイルのビター・エールは私の好物。
ロンドンのパブでは大抵ビター・エールを飲んでいた。
苦みが強く、深いコクを持つエールである。
アルコール度数も強く、6%。

フライドポテトも注文。
どのビールもアルコール度数が高めなので、お腹に溜るものを食べないと酔ってしまいそうだ。

四杯目は、I.P.A.、インディア・ペール・エール。
静岡のベアード・ブルーイングが造る、帝国IPA。
イングリッシュ・スタイルとアメリカン・スタイルの中間の造りのIPAなのだそうだ。
しっかりとしたコクを持ちながら、華やかなホップの香りを感じる。
アルコール度数は6.5%。
ベアード・ブルーイングは2000年にブライアン・ベアード氏とさゆりご夫妻が沼津に設立した醸造会社。
2014年に修善寺に移転し、ベアード・ブルワリー・ガーデン修善寺を開設している。
「エールって、美味しいでしょ」と私。
「美味しいけど、最後はワインにしたいな」と彼女。
急いで茅場町のイタリアンに電話をし、30分後に行くことを伝える。
八丁堀のお店から茅場町のお店まで、歩いても5分とかからない。
彼女と過ごす八丁堀、茅場町の楽しい夜の続きは、また明日。