
元箱根の『オーベルジュ・オー・ミラドー』で彼女と過ごす素敵な一日の続き。
私たちの部屋があるパヴィヨン・ミラドーから、温泉があるコロニアル・ミラドーに向かう。
パヴィヨン・ミラドーがフレンチ・スタイルなのに対し、コロニアル・ミラドーは、東南アジアのテイスト。

門をくぐると、左側に中国風の水瓶と石塔。
それと何だか不思議な石像が迎えてくれる。

石像が左手に何かを持っている。
何だろうと近付いてみると、左手に持っているのは・・・、右手は「すんまへん」といった風に頭を掻いている。
この像はいったい誰の趣味なのだろう。

少し先に進むと、今度は涅槃仏。
ふ~む、ここで悟りを啓くということか。

更に先に進むと、今度は二つの仏頭。
頭だけではなく、肩から上が石に刻まれている。

ようやくコロニアル・ミラドーに到着した。
ガラス張りの二階は、結婚式場。
竹垣で囲われた一階が温泉になっている。
手前には不思議な像が二体。
人間の頭と鳥の身体を持つ像と、西洋風の帽子を被った上半身裸の男性像。

温泉のある一階は、インドかバリ島の雰囲気。
つまり、ヒンドゥーのスタイルになっている。
焚かれている香の香りが一層妖しい雰囲気を醸し出す。

彼女はMADAMEと書かれた部屋へ、私はMONSIEURと書かれた部屋に入る。
バスルームは明るく、普通に入浴に必要なものが揃っている。
他に宿泊客まだ到着していないのか、温泉を独り占め。

のんびり温泉につかると、都会の喧騒に疲れた身体から力が抜け、身も心もリラックスできる。
ところが、隣の部屋では彼女も温泉につかっているのかと思うと、・・・心の平安が乱れ、門の横にあった石像が脳裏をよぎる。
いけないいけない、色即是空空即是色。

温泉を出ると、霧が晴れていた。
パヴィヨン・ミラドーのバルコニーから芦ノ湖が少し見える。
樹々が大きくなり、見える範囲が随分少なくなった。

隣のオー・ミラドーも見えてきた。
あと少しすれば、着替えてディナーに行くことにしよう。
彼女は着替えを済ませ、念入りにお化粧をしている。
ドレスアップした彼女がとても素敵だ。

前庭を歩き、オー・ミラドーのメインダイニングに向かう。
パヴィヨン・ミラドーの一階にも大きなダイニングルームがあるが、そこは結婚披露宴用なのだ。
テーブル上には今夜のディナーの準備ができている。

ウエィティング・ルームに腰を下ろし、シャンパーニュで乾杯。
パニエ、ブリュット・セレクション。
パニエは、約1,000年前に掘られた地下30m、全長2kmのカーヴを保有していることで有名。
セパージュは、シャルドネ40%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ30%。
熟成期間は、36ヶ月ととても長い。

アミューズ・ブーシュが素敵だ。
さあ、『オーベルジュ・オー・ミラドー』でのディナーの始まりです。