今夜は彼女と日本橋三越で待ち合わせ。
向かった先は、日銀の裏側の一角。
知らないと決して行けない路地裏にある肉料理の専門店。
こんなところにこんな素敵なお店があるなんて、不思議。
店を示すのは、29の番号のみ。
オフィスビルの谷間の奥にある、まさに食通の隠れ家なのだ。
ビルの名前を確かめ、二階への階段を上る。
目的の肉料理専門店の名前は、『肉友』。
何だか肉料理そのままの名前のようだが、オーナー・シェフの住友健一郎さんが今年6月1日にオープンされたお店なのだ。
泡をグラスで頼み、乾杯。
料理は注文済。
というより、このお店には”お任せコース”ひとつしかないのだ。
今日の入荷肉次第でメニューは変わる。
さて、今夜はどんな肉料理が出てくるか楽しみだ。
ところで今夜の泡は、クレマン・ド・ブルゴーニュ。
淡い麦藁色で、泡立ちがとても良い。
ドメーヌ・ロラン・ヴァネックが造る、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュト、ヴィルテュオーズ。
ブルゴーニュの一番北、シャンパーニュに近い地区の小規模生産者で、生産するワインの90%がクレマン。
ぶどうはリュット・レゾネで栽培し、瓶内熟成は20ヶ月、ドサージュは3g/ℓ。
ぶどうの熟成感を持ちながら、切れの良い辛口。
セパージュは、シャルドネ50%、ピノ・ノワール50%。
前菜が次々と運ばれる。
一皿は、冬瓜と・・・のサラダ。
このグリーンの輪切り野菜が何だったのか忘れた。
ピリ辛の味噌をつけて食べる。
もう一皿は、早速、肉。
豚のリュエット、サラミ、プロシュート。
そしてもう一品は、豚の尻尾。
真ん中に骨があり、その周りの肉を歯で削ぎ取って食べる。
二人ともしばし無言で食べることに集中する。
テーブル上には、肉に使う薬味4種が置かれている。
今のところ必要ないが、あとでガッツリ肉料理が出されると思うと、期待感が高まる。
クレマンを飲み終えると、白をグラスでもらうことにする。
今夜の白は、ピノ・グリ。
グラスに注がれたワインの色を見てびっくり。
「え、これ本当にピノ・グリなの?」と彼女。
甘い果実のエステル香、黄桃、蜂蜜、洋梨のニュアンス。
口に含むと、強い熟成感。
2012年ヴィンテージなのだが、古酒の風格を持つ。
ヴィニョーブル・ギョームの、ヴァン・ド・ペイ・ド・フランシュ・コンテ、2012年。
フランスやイタリアの名だたる有名ワイナリーにぶどうの苗木を供給し”天才苗木家”と称されている、アンリ=グザヴィエ・ギョーム氏が造るワインである。
ブルゴーニュの東側のフランシュ・コンテ地方にはAOCが無いため、ヴァン・ド・ペイに分類される。
しかしそのテロワールはコート・ドールに酷似しているため高品質のワインが生産されており、至上のヴァン・ド・ペイと言われている。
特にヴィニョーブル・ギョームでは、リュット・リゾネでのぶどう栽培、低収量、完熟ぶどうの使用、バリックでのシュールリー熟成、等々、ブルゴーニュの著名なドメーヌに負けないワイン造りを行っているのだ。
ここでサラダが出される。
サラダにも、牛のタタキがたっぷりと入っている。
日本橋の肉料理専門店『肉友』で彼女と過ごす楽しい夜は、まだ続きます。
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今夜は彼女と肉三昧、日本橋 肉友
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