今夜は彼女と東大前で待ち合わせ。
向かった先は、『NZ BAR』。
ニュージーランド・ワインの専門店で、店内でワインを飲むこともできるお店なのだ。
店は本郷通に面しているが、ここに店があると知っていないと見過ごしてしまう。
私は何度来ても素通りしそうになり、彼女に呼び止められる始末である。
店はウナギの寝床で、小さな丸椅子が6個あるだけ。
常連の皆さんは、基本立ち飲みしている。
グラスで楽しむことができるお薦めワインもあるし、ワインに合わせた料理も数種類出してくれる。
一番奥は、大きなワイン・セラー。
店の半分の場所を占めている。
ここはニュージーランド・ワインの販売店で、買ったワインを少額のグラス代を払って飲むこともできるのだ。
中は常に18℃に保たれているので、暑い時期にはまずセラーに入り時間を掛けてワインを選んでいる。
今夜の赤は、ノース・オタゴ、ワイタキのピノ・ノワールを取り寄せで頼んである。
そこで白は、お薦めのグラス・ワインを飲むことにする。
赤と同じ産地、ワイタキのワインがあったので、試すことにする。
ヴァリ、ワイタキ・リースリング、ノース・オタゴ、2013年。
ヴァリは、ピノ・ノワールの名手、グラント・テイラーが1998年に立ち上げたワイナリー。
グラント・テイラーはオタゴ出身で、故郷をピノ・ノワールの一大産地に育て上げた。
1993年に20haしかなかったセントラル・オタゴのぶどう畑は、今では1,700haに拡大している。
ワイタキは、セントラル・オタゴに隣接するノース・オタゴにある新しい注目の場所。
彼女も私も、今はワイタキのピノ・ノワールに首ったけなのだ。
オタゴは、南島の南部にある、最も寒い地域のぶどう産地である。
このリースリングは予想に反し、果実味豊かでぶどうの甘い香りを持っている。
最近は辛口のリースリングが多いが、ドイツ南部のリースリングを彷彿とさせる造りをしている。
白ワインのお供は、オリーブ。
ワインに合ってとても美味い。
彼女はオリーブが大好きなので、何処に行ってもかならず注文している。
二杯目の白は、私が好きな造り手のものを選ぶ。
グレイワッキ、ワイルド・ソーヴィニヨン、2013年。
グレイワッキは、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランの品質の高さを世界に知らしめたクラウディ・ベイで創業以来25年間にわたって醸造責任者を務めたケヴィン・ジェッドが、2009年に独立して開いたワイナリー。
ケヴィン&キンバリー・ジェッドご夫妻とは一度夕食をご一緒したことがある。
ケヴィンはとても寡黙な方で、会話のほとんどは奥様が引き受けていた。
一番記憶に残っているのは、お会いした日がニュージーランド地震の翌日だったことだ。
ワインの話題の前に、地震へのお見舞いや、クライストチャーチでの日本人被災の話しが中心となったことを想い出す。
ケヴィンは写真家でもあり、『NZ BAR』にも彼の素晴らしい写真が飾られている。
ワイルド・ソーヴィニヨンは野生酵母を使用したプレミアムなソーヴィニヨン・ブランで、まず強い果実香に驚かされる。
強い果実味、熟成感、そして複雑なストラクチャーを持つスペシャルなソーヴィニヨン・ブランである。
お共にはチーズの盛り合わせ。
今夜は7種類の珍しいチーズが用意されている。
ひとつひとつ説明してもらったが、ほとんど名前を覚えていない。
でも、どれも熟成が進んで飛び切りに美味い。
セラーの中にはニュージーランド・ワインが所狭しと並んでいる。
飲んだことがあるものも幾つかあるが、ほとんどが未体験のもの。
見ているとどれも飲んでみたくなる。
東大前の『NZ BAR』で彼女と過ごす楽しい夜の続きは、また明日。
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彼女と過ごすニュージーな夜、NZ BAR、東大前
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