銀座の行きつけのフレンチ、『ブラッセリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
アペリティフ、白に続いて赤ワインが出される。
ボルドー、フロンサックのシャトー・オー・バレ、2009年。
フロンサックはドルドーニュ川の右岸、ポムロールの西側にあるAOC。
素晴らしい果実味と熟成感。
ビロードのようなタンニン。
とても強いボディを持ち、アルコール度数は14.5%。
ぶどうはメルロー100%。
赤ワインに合わせる料理は、仔羊のショーソン、黒胡椒の香る赤ワインソース。
フルムダンベール風味のじゃがいものブルーテ。
ショーソンは、パイ包み焼きのこと。
パイを切ると、ラムの豊かな香りがふわっと漂う。
濃厚な赤ワインソースは、ラムとも強いオー・バレとも相性が良い。
『ポール・ボキューズ』のバケットの種は全てフランスで作られ、冷凍で送られてきたものを日本で焼いている。
これでソースを掬って食べると美味い。
ディジェスティフは、何度もここで飲んでいる銘柄。
サント・クロワ・デュ・モンのシャトー・デュ・モン、2011年。
ソーテルヌの対岸にある、ソーテルヌと同じく貴腐ワインの産地である。
濃厚な黄金色。
甘い南国の完熟フルーツ、マンゴーやデーツの香り。
樹齢60年のセミヨンで造られる、素晴らしい貴腐ワインだ。
デセールは、林檎の軽いキャラメリゼ、ラム・レーズンのアイスクリームを添えて。
強い赤ワインソースの肉料理のあとに食べると、酸味のある甘さが心地よい。
「今夜のお料理も美味しかったわね。最近、木下シェフの料理は冴えてると思うわ」と彼女は満足した様子。
「そうだね、昨年辺りは色々試していたけど、今はしっかりとしたバランスを作り上げているね」と私。
このお店では寛いで食事ができるので、今夜も飲み過ぎてしまった。
オー・バレのアルコール度数が14.5%もあったのも効いたようだ。
シェフに今夜の料理の感想を伝え、お礼を述べて店をあとにする。
銀座の『ブラッセリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす、美味しく楽しい夜でした。