『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』で彼女と過ごす美味しい夜の続き。
アペリティフ、シャルドネの次は、これもまた好きな造り手の赤ワイン。
南西地方のアラン・ブリュモンが造る、シャトー・ブースカッセ、レ・メンヒル、マディラン、2007年。
アラン・ブリュモンは南西地方最高の造り手と称されており、土着品種のタナから素晴らしいワインを造り出したことで有名。
シャトー・ブースカッセは1836年からブリュモン家の所有で、アランはこれを父親から引き継ぎ、1979年に”アラン・ブリュモン”を設立。
圧倒的な果実味と熟成感を持つ、素晴らしいフルボディ。
セパージュは、タナ50%、メルロー50%。
強いシャトー・ブースカッセに合わせる肉料理は、赤ワインでじっくり煮込んだ牛頬肉のプレゼ、じゃがいものドフィノワと一緒に。
この料理ならワインにも負けず、実に美味い。
ディジェスティフは、ロゼス、ポルト・トゥニー。
ロゼスはフランスで人気のポルト。
1855年にロゼスを設立したのは、ボルドーのワイン商でポルトガル系のオステンド・ロゼス。
トゥニーは樽熟成させた褐色(トゥニー)のポルト。
ポルトはディジェスティフとして大好きなお酒。
特にヴィンテージ・ポルトは素晴らしく美味い。
でも彼女は、ワインをいっぱい飲んだ後にはフォーティファイド・ワインは強すぎると言って、あまり飲まない。
デセールは、ガトーオペラ、バニラ・アイスクリームとフレッシュ無花果。
何時も思うが、フレンチの後のデセールは本当に美味しく、お腹はいっぱいでも無理なく食べてしまう。
フレンチのデセールのあとは、濃いコーヒー。
今夜も彼女はディジェスティフを私にパスし、コーヒーを2杯。
そして私はディジェスティフを彼女のと合わせて2杯飲む。
「今夜も美味しかった。ありがとう」と微笑む彼女が何時にも増して綺麗に見える。
今夜も酔ってしまったようだ。
木下料理長と大友ソムリエに今夜の礼を述べ、店をあとにする。
夜も遅くなり、エントランス周辺に人影はない。
マロニエゲートを出ると、すぐ隣はプランタン銀座。
32年間の営業を終え、年末に閉店する。
10月から12月までの三か月間は、”さよならプランタン銀座売りつくし”セールが行われている。
今夜は彼女と肩を並べ、何となく有楽町方面に歩く。
振り向くと、マロニエゲートが光り輝いている。
青く光る階が東急ハンズ、その上の暗い階がレストラン。
今夜も楽しい、彼女と過ごす銀座の夜でした。