今夜は彼女と、銀座で何時ものフレンチ、『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』。
4丁目で待ち合わせ、マロニエ・ゲートに向かう。
時間が早いので、広い店内には他に客は居ない。
あと一時間もすればテーブルはほとんど満席となるが、今は嵐の前の静けさといったところ。
私たちのテーブルには、何時もの通りのセッティング。
このポール・ボキューズのマークを見ると、それだけでお腹が空いてくる。
唾液まで出てくると、パブロフの犬になってしまう。
アペリティフ・メゾンで乾杯。
洋梨のジュレを、クレマン・ド・ブルゴーニュで割って作られている。
とても美味い。
でも、アペリティフ三杯は飲み過ぎ。
使われているクレマン・ド・ブルゴーニュは、ヴーヴ・アンバルのミレジム、2014年。
ブルゴーニュ最大のクレマン専業のメゾンで、『ひらまつ』ではこのミレジムをハウス・スパークリングとして使っている。
前菜は、ブルゴーニュの郷土料理、”ジャンボン ペルシエ”。
使われている肉は、豚の内腿肉。
添えられているのは、林檎のコンフィチュール、胡桃とアンディーブのサラダ。
白のボトルが届くと、「あ、これ大好き。奈良の『オーベルジュ・ド・ぷれざんす 桜井』でも飲んだわね」と彼女。
アルフォンス・メロ、レ・ペニタン、コトー・シャリトワ、シャルドネ、2008年。
アルフォンス・メロは、400年以上の歴史を持つサンセール最大の造り手。
レ・ペニタンは、アルフォンス・メロと、ジュヴレ・シャンベルタンに本拠地を持つ著名な造り手、ジャンテ・パンショが共同で運営するプロジェクト。
ブルゴーニュとサンセールの間にあるコトー・シャリトワでシャルドネ(12ha)とピノ・ノワール(4ha)を栽培し、シャルドネをメロが、ピノ・ノワールをパンショが醸造し、出来たワインをそれぞれが半分ずつ販売している。
シャルドネはメロがビオロジックで栽培し、シュールリーで発酵させ、90%をステンレスタンクで、10%を樽で熟成させている。
柑橘系の香りを持ち、酸とミネラルのバランスも素晴らしい。
好きなワインで、私のセラーにも2006年が入っている。
「美味しい。貴方の2006年、一人で飲んじゃ駄目よ。必ず私と一緒に飲もうね」と彼女。
「2006年は美味しいけど、『ひらまつ』の在庫はもう無くなったんだって。ちゃんと確保しておくから大丈夫だよ」
魚料理は、タスマニア・サーモンのプランチャーソテー、カリフラワーと松の実のコンディマン、オリエンタル風根セロリのクーリー添え。
サーモンのポワレは火入れが素晴らしく、皮はパリッと仕上がり、身はジューシー。
『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』で彼女と過ごす美味しい夜は、続きます。