クリスマス・ディナーをどのお店にしようか、彼女に相談。
彼女は即答、「『キャーヴ・ド・ひらまつ』にしましょうよ」。
この一年、二人で訪れた回数が最も多いレストランである。
それだけ気に入っているフレンチであるし、新年は改装工事のためしばらく店を閉じる予定なので本年中にできるだけ行きたいとのことなのだ。
六本木で待ち合わせ、車で西麻布の店に向かう。
白亜の一軒家のお店は、クリスマスの装い。
坂本支配人に迎えられ、佐々木副支配人がテーブルに案内してくれる。
テーブル上には、今夜の料理のカルテがセットされている。
カルテを開くと、ジョワイユ・ノエル(メリー・クリスマス)の文字が現れる。
最初のボトルは、シャンパーニュ。
ドラピエの最高峰、グラン・サンドレ、ミレジム、2008年を抜栓。
ドラピエは”ピノ・ノワールの父”と呼ばれるメゾンで、ピノ・ノワールを用いたシャンパーニュ造りで定評がある。
このグラン・サンドレは良いぶどうが収穫された年にのみ生産されるプレステージ・シャンパーニュ。
ドラピエのキュヴェ・シャルル・ド・ゴールや、ブラン・ド・ノワール、ノン・ドサは好きだが、グラン・サンドレを飲むのは初めて。
コルクの状態、香りは良好。
ミュズレにも、グラン・サンドレの名前が入っている。
蜂蜜、ブリオッシュ、イースト、そして強い熟成感。
やはりドラピエのプレステージ・キュヴェは美味い。
瓶内熟成期間は7年以上。
セパージュは、ピノ・ノワール55%、シャルドネ45%。
アミューズ・ブーシュは、シュー。
軽い口当たりがシャンパーニュに良く合う。
ズワイガニのカクテル、滑らかなカリフラワーのムース、フルーツトマトのジュレ、キャビア添え。
今夜は気分が浮かれているせいか、シャンパーニュを飲むスピードが速い。
パンもしっかりお腹に入れることにする。
北海道産帆立貝のポワレ、爽やかなシャンパンのリゾット、アスパラガスのクロッカン、トリュフの香り。
ズワイガニにホタテ、季節の海の幸がシャンパーニュとベストマッチ。
西麻布のお気に入りのフレンチ、『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごす素敵なクリスマスの夜は続きます。