北参道の隠れ家フレンチ、『ロクターヴ・ハヤト・コバヤシ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
赤ワインのボトルもブルゴーニュを選択。
ムルソーのトップ生産者の一人、フランソワ・ミクルスキが造る、ブルゴーニュ、ピノ・ノワール、2013年。
叔父のピエール・ポワイヨの下で修業し、1991年に叔父の引退を受けてぶどう畑を引き継ぎドメーヌを立ち上げ、短期間でスター・ドメーヌの地位を確立した。
コルクはちょっと短いが、状態はとても良い。
ベリー系の香り。
ストロベリー、ラズベリー、スミレのニュアンス。
綺麗な果実味と滑らかなタンニンを持つ、実にエレガントなピノである。
四皿目は、愛知産のムール貝のグラタン。
ブランデーが振りかけられ、フランベ。
たっぷりブランデーを掛けたので、炎が大きく思わず仰け反ってしまう。
熱々で香りが素晴らしい。
ムール貝がこんなに美味しいとは思わなかった。
五皿目は、根室産真鱈の白子のフリット。
添えられているのは、原木椎茸、マイタケ、白マイタケ、ヒラタケ。
魚料理は、佐賀産ヒラスズキ。
ヒラスズキは鱸よりも臭みが無く味が良い。
水揚げ量が少ない高級魚である。
敷かれているのは、アンディーヴ。
低温調理された肉厚のヒラスズキは旨味が凝縮され、最高に美味。
今夜の特別料理。
フランス産鳩のロースト。
彼女がフランスの鳩を食べたいとリクエストしたのだ。
小林シェフから、フランス最高の鳩だと産地も教えてもらったが、ヴァンデ産だったかどうか忘れてしまった。
柔らかく、それでいて旨味が詰まった素晴らしい肉質。
心臓を使った血のソースも素晴らしい。
コーヒーを飲みながら今夜の料理とワインを振り返る。
小林シェフの料理には、何時も驚きと輝きがある。
ミニャルディーズは、お馴染みの木の枝に掛けられて登場。
林檎のゼリー、生チョコレート、・・・もう一つは何かのケーキ。
小林隼人シェフ、今夜もお世話になりました。
特に今夜は、フランスの鳩を食べたいという彼女の我儘に応えてくれて、ありがとうございました。
お腹がいっぱいなので歩きたいと、彼女。
そこで明治通りを天現寺方向に向かい、途中で右折し原宿方向に歩く。
久し振りに竹下通りを散策。
もう時間が遅いので、店は閉じ、行き交う人もまばら。
再び明治通りに出ると、神宮前交差点に向かう。
「今夜も美味しかった。ありがとう」と私の腕に手を絡める。
「今夜の鳩は最高だったね」と彼女の身体を引き寄せる。
彼女と過ごす北参道~神宮前の夜は、素敵に更けていきました。