神楽坂の人気の中華、『エンジン』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
シャンパーニュを飲み干したので、抜栓しておいた赤を出してもらう。
ドメーヌ・ルジューヌが造る、ブルゴーニュ・ルージュ、2015年。
ルジューヌは、ポマールで1783年創業の歴史ある家族経営のドメーヌ。
ベリー系の香り。
伝統的な造りの綺麗なピノ・ノワールである。
オークの大樽で醗酵、熟成。
ぶどう栽培はリュット・レゾネで、ビオロジックに転換中。
いろいろ野菜炒め。
この料理、金目鯛やズワイ蟹よりも高価だったので、どんな料理か興味津々で注文。
紅心大根、韓国カボチャ、スナップエンドウ、紫大根、ベビーコーン、等々に加え、二種類の麩が入っている。
油でさっと揚げて味付けしたシンプルな料理だのに、野菜の甘みが上手く引き出されており、とても美味い。
黒酢の酢豚。
お店一番人気の料理。
今夜の野菜は、白茄子。
添えられているのは、おこげ。
黒酢の餡がたっぷりあるので、残った餡に付けて食べて下さいとのこと。
熱々の揚げたての豚肉に、濃厚な黒酢餡が絡んで最高に美味。
人気の理由がわかる一品だ。
餡の量が多いので、おこげにもたっぷり餡を付けて食べる。
「今まで食べた中で一番美味しい黒酢酢豚だわ」と彼女。
〆は、彼女は担々麺。
私は酸辣湯麺。
腰のしっかりした細麺と、濃厚な酸辣湯が良く合う。
お腹はいっぱいだが、二人とも汁まで完食。
松下シェフに今夜の礼を述べ、店をあとにする。
帰りは、元来た道とは反対側の細い石段を上る。
のり奴姐さんご推奨の帰り道。
振り向くと、ビルが一段低い場所にあるため、『エンジン』がある1階は見えない。
先に進むと、路地であって路地でないような不思議な空間。
ここにも趣のある店がある。
そのお店の手前を右折すると、道幅1mほどの細い路地。
ここにも良さそうなお店が軒を連ねる。
この細い路地を神楽坂(早稲田通り)に抜けると、目の前には毘沙門天。
夏祭りを控え、街にも毘沙門天にも提灯が並び、華やいだ雰囲気。
こんな通りを歩いていると、私達まで心が浮き立ってくる。
「『ルグドゥノム・ブション・リヨネ』にも早く行きたいし、『しゅうご』にもまた行きたいわ」と彼女。
「うん、早めに予約を入れておくね」と私。
彼女と過ごす神楽坂の夜は素敵に更けて行きました。