銀座のフレンチ、『ブラッセリー ポール・ボキューズ』で開催した楽しいディナー会、「ひらまつ蔵出しワインの会」の続き。
私が『ひらまつ』のセラーから選んだワインと、木下料理長がワインに合わせて考える料理とのマリアージュを楽しむディナー会である。
参加者は、azabu-lifeさん、Chocolatさん、ショーコさん、ちぃさん、nekonekoさん、ハバネロ将軍さん、H!meさん、りりかさん、redfoxさん、Winenokotoさん、そして私。
シャルドネ二種の飲み較べをしたあとは、ピノ・ノワールのブラインド・テイスティング。
1種類目は、コート・シャロネーズのクローディ・ジョバールが造る、リュリー、ラ・ショーム、2015年。
クローディ・ジョバールはブルゴーニュで注目の女流醸造家。
詳しくは昨日紹介したので今日は省略。
このワインも2009年VTを揃えたかったのだが、『ひらまつ』のセラーでも既に切れてしまっており、2015年VTとなった。
較べるワインが2009年なので簡単に判別が付くと思ったが、2015年でも結構熟成したボディをしているので、ちょっと難しいかも。
もう1種類のピノ・ノワールは、ルイ・ジャドが造る、サヴィニー・レ・ボーヌ、プルミエ・クリュ、ラ・ドミノード、2009年。
コート・ド・ボーヌのピノである。
ルイ・ジャドについては有名過ぎて詳述の必要は無いと思うが、1859年設立の名門ネゴシアンであると同時に、ブルゴーニュ全体に210haの畑を有する大ドメーヌでもある。
しかもその畑の大部分がグラン・クリュ、プルミエ・クリュというのだから驚きだ。
流石に美味い。
ぶどう栽培はビオディナミ。
ここで、ブラインド・テイスティングとしては失態を演じてしまう。
エチケットはナプキンで包んで見えなくしているが、ネックシールが剥き出しになっていたので、ショーコさんが「先に飲んだクローディ・ジョバールのシャルドネと同じネックシールだ」と指摘。
リケジョは観察眼も鋭いと脱帽。
従い、全員正解。
合わせるのは、リヨンの郷土料理。
リヨン風白身魚のクネル、アメリケーヌソース。
リヨンだと白身魚はブロッシュ(カワカマス)を使うのが一般的だが、カワカマスは日本には棲息していない。
今夜の魚は鯛。
フワフワのクネルが素晴らしく美味い。
さて、シャルドネ、ピノ・ノワールと続いたブラインド・テイスティングは、いよいよボルドーに。
ボルドー左岸と右岸の飲み較べを企画。
どちらも強いボディーのワインなので、デキャンタージュしておいた。
(写真はデキャンタージュ前のボトル)
私が選んだ1種類目のボルドー・ワインは、右岸から。
リュサック・サンテミリオンのシャトー・リオナ、キュヴェ・エモーション、2009年。
このキュヴェ・エモーションは、オーナーが家族用に造っていた特別な上級キュヴェ。
樹齢80年から100年のメルロー100%で造られ、熟成は18ヶ月、新樽比率は100%。
とてもエレガントなメルロー。
2008年からサンテミリオンの偉大なシャトー、第一特別級Aのシャトー・アンジェリュスの醸造責任者がコンサルタントに就任し、品質が向上している。
もう1種類のワインは、左岸、ポイヤックのシャトー・オー・バージュ・モンプロー、クリュ・ブルジョワ、2008年。
このシャトーは、第4級格付けのグラン・クリュ、シャトー・デュアル・ミロン・ロートシルトの畑の一部を分割して1948年に作られた。
1970年に、第5級格付けのグラン・クリュ、シャトー・バタイエのオーナー、カスティジャン家が購入し、モンプローの醸造もバタイエの醸造チームが担当している。
これは素晴らしく骨太の、左岸らしいワイン。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン70%、メルロー27%、カベルネ・フラン3%で、栽培はリュット・レゾネ。
熟成期間は12~18ヶ月で、新樽比率は30%、1年落ち樽が70%。
このブラインド・テイスティングでは、半数弱の方が正解。
そして驚くことに全問正解者はただお一人、ハバネロ将軍さん。
私のセラーから持ってきた賞品ワインを贈呈し、記念撮影。
ワインは、アルフォンス・メロが造るレ・ペニタン、コート・ド・ラ・シャリテ、2009年。
強いボルドーに合わせる料理は、北海道産蝦夷鹿のロースト、ソース・ポワヴラードと玉葱のア・ラ・クレーム。
素晴らしい火入れ。
血の香りが食欲をそそり、強いボルドーにも負けない美味しさ。
タマネギのア・ラ・クレームは、とろりと玉葱の甘みが美味い。
デセールは、シナモン香る林檎のパイ包み、ラム・レーズンのアイスクリーム添え。
シナモン香る林檎のパイ包みは、安定の美味しさ。
料理長の木下さんが挨拶に来てくれた。
実は、木下さんは沖縄に7月に新設される『ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 宜野座』の立ち上げのため、2月中旬には沖縄に転勤されるのだ。
ソムリエの大友さんから、素敵なディジェスティフのプレゼント。
サント・クロワ・デュモンのシャトー・デュ・モン、2011年。
ソーテルヌのガロンヌ川を挟んだ対岸にある貴腐ワインの産地のデザート・ワイン。
このワインについても、用意したワイン産地地図を使って説明。
いっぱい食べ、いっぱい飲んだあとのディジェスティフは美味い。
ぶどうは樹齢60年のセミヨン。
大友さん、ありがとうございます。
今夜飲んだワイン達が勢揃い。
これにデザートワインを加え、11人で12本を飲んだことになる。
皆さんに喜んでいただき、今回のワイン会も成功。
参加していただいた皆さん、またお会いできることを楽しみにしています。
そして『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』のスタッフの皆さん、お世話になりありがとうございました。