銀座の『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
クローディ・ジョバールのリュリーのボトルを飲み干すと、ルイ・ジャドの赤を抜栓。
ジュヴレ・シャンベルタン、2005年。
2005年という良いヴィンテージがまだセラーに揃っているのも、『ポール・ボキューズ』の良いところ。
ルイ・ジャドはネゴシアンであると共に、ブルゴーニュの各AOCに合わせて210haもの自社畑を有する大ドメーヌ。
ルイ・ジャドのドメーヌ物は美味しく外れが無いので、私も良く飲んでいる。
コルクの濡れ具合、香りも良い。
ストロベリー、ラズベリー、ブラックベリー等のベリー系の香り。
しっかりとした熟成感とタンニン、いわゆる薄旨系の素晴らしいピノ・ノワールだ。
温かい前菜は、モリーユ茸のブルーテとラビオリ、香り高いヴァンジョーヌのムースリーヌとほうれん草添え。
二人ともモリーユ茸が大好きなので、迷うことなくこの料理を選択。
ラビオリを切ると、中にはモリーユ茸がたっぷり入っている。
この甘い香りがたまらない。
魚料理は、ノルウェー産サーモンのエスカロープ、オゼイユ風味、リコッタチーズとほうれん草のラビオリ。
ほうれん草とラビオリが温前菜と重なってしまったが、彼女はサーモンが好きなのでこの料理を選択。
二人に取り分けても、このヴォリュームは嬉しい。
肉料理が運ばれてきた。
でも、皿にのっているのは、ジャガイモ、タマネギ、シャンピニオン、ベーコンのみ。
続いて鉄製のパンで焼かれた仔羊が届く。
仔羊のロースト、タイム風味。
先程の皿に肉が移され、その上にタイム風味のジュ・ソースがかけられる。
このヴォリュームが素晴らしい。
二人に切り分けると、真っ赤な肉が現れる。
素晴らしい火入れだ。
肉は柔らかくジューシー。
今夜は食べ過ぎだが、この肉ならいくらでも食べることができそうだ。
赤ワインのグラスの脚元には、美しい光の文様。
ピノ・ノワールは光を通すので、こんなグラス・アートも楽しむことが出来る。
新任の星野料理長の料理も素晴らしかった。
星野料理長、大友ソムリエと今夜の料理とワインについて語りあうのも楽しい。
店をでると、マロニエ通りをしばし散策。
「星野さんのお料理、美味しくて安心したわ」と彼女。
「星野さんは特別なワイン会をやりたいそうだよ。協力しますよとお話ししたので、どんな会になるか楽しみだね」と私。
『モンソー・フルール』は夜遅くまで開いている。
花屋が遅くまで営業しているのは、銀座らしい。
何故って、食事のあとに行くお店には、花束がよく似合うのだ。
彼女と過ごす銀座の夜は、素敵に更けていきました。