コート・ド・ニュイ訪問の〆は、フィサン村でのブルゴーニュ・ワインの試飲。
ジャンさんに案内してもらったのは、『ラ・カーヴ・プリヴェ』。
プライヴェートのカーヴのようだ。
目の前の標識を見ると、左に行くとマルサネなのだそうだ。
店の中に入ると、とても狭い事務室。
ジャンさんが「そこの階段から地下に降りて」と言うので下ってみると、綺麗なカーヴが現れた。
木製のテーブル上には今日の試飲ワインが用意されている。
両側の壁にはずらりとブルゴーニュ・ワインが並び、ここで購入することもできる。
試飲のお供はフロマージュ。
お腹が空いてきていたので、試飲中にほとんどを食べてしまった。
最初のワインは、ドメーヌ・チャーリー・ニコル、シャブリ、2016年。
綺麗な酸とミネラル。
シャブリらしい美味いシャブリだ。
二種類目は、ドメーヌ・フランソワ・ゴヌーが造る、ムルソー、プルミエ・クリュ、ラ・グット・ドール、2013年。
良いワインが出されて嬉しい。
素晴らしい果実の凝縮感、ふくよかな熟成感、バランスも素晴らしい。
三種類目は赤ワイン。
コート・シャロネーズのドメーヌ・ジャン=クロードブルリエールが造る、リュリー、プルミエ・クリュ、レ・シャン・クルー、2014年。
このドメーヌはリュリーで最高の造り手との評価を得ており、このレ・シャン・クルーは女性専門家が選ぶコンクール・フェミナリズで二年連続金賞を獲得している。
ぶどう栽培はビオロジック。
四種類目は、地元フィサンの赤。
ドメーヌ・アルメル・エ・ジャン・ミシェル・モランが造る、フィサン、2015年。
評価が高い造り手のピノ・ノワールだけあって、タンニン、酸、果実味のバランスが良い。
自然なぶどうのポテンシャルを大切にする造り手で、栽培はビオロジック、樹齢は35~40年と高い。
五種類目はドメーヌ・マイヤール・ペール・エ・フィスが造る、ボーヌ、プルミエ・クリュ、レ・グレーヴ、2015年。
グレーヴはストライキの意味だが、そんな名前の畑があるのだろうか。
このドメーヌは、ショレイ・レ・ボーヌに本拠地を置き、1766年設立の老舗。
六種類目は、同じくドメーヌ・マイヤール・ペール・エ・フィスが造る、コルトン、グラン・クリュ、2014年。
最後にグラン・クリュで締めくくるのは気持ちが良いものだ。
ワインの試飲後にはデザート・ワイン、エドモン・ブリオッテが造る、ラタフィア・ド・ブルゴーニュ。
発酵前のぶどう果汁にマール(ぶどうの搾りかすから造られる蒸留酒)を加え、オーク樽で7年、瓶内で3年以上熟成させて造られた甘口ワイン。
エドモン・ブリオッテはディジョンに本拠地を置くリキュール・メーカーで、1836年創業の老舗。
さらにリキュール。
同じくエドモン・ブリオッテが造る、クレーム・ド・カシス・ド・ディジョン。
エドモン・ブリオッテの製品で一番有名なのは、このクレーム・ド・カシスなのだ。
彼女は甘口のワインやリキュールが苦手。
どちらもちょっと味見をしただけで、残りを私のグラスに移してしまう。
普通は甘口ワインは女性の好みなのだろうか、この様子を見たジャンさんが驚いて私達の顔を交互に見ている。
試飲でワインの色や濁りを見るのに使ったロウソク。
このロウソク立て、デザインが良い。
試飲後にはチョコレート。
コート・ドールのブランドで、ノワール・ド・ノワールと書かれているのが面白い。
なかなか良いワインを試飲できたので、お礼にジュヴレ・シャンベルタン等を二本購入。
試飲したワイン達に見送られ、店をあとにする。
外はもうすっかり日が暮れている。
急いでディジョンに戻り、ディナーに行く準備をすることにしよう。
彼女と楽しむブルゴーニュの旅は続きます。