西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵なクリスマス・ディナーの続き。
店内には至る所に素晴らしい絵画が飾られている。
左の絵は、ベルナール・ビュフェ、右の絵はマリー・ローランサン。
マリー・ローランサンは20世紀前半に活躍したフランスの女流画家。
日本で最も人気のある画家の一人と言われている。
この絵はマリー・ローランサンの特徴が良く出ている。
ベルナール・ビュフェのこの絵も好きだ。
ビュフェは、第二次世界大戦後のフランスを代表する具象絵画の画家。
二本の柱にもベルナール・ビュフェの大きな作品。
これは左側。
こちらは右側。
そしてシャルル・シャプラン。
19世紀後半に活躍したフランスの画家で、若い女性の肖像画で知られる。
この絵は代表作の一つで、タイトルは”A Song Silenced”。
今夜はクリスマス・ディナーなので、坂元支配人にお願いして彼女のためにコート・ド・ニュイの美味しいワインを用意してもらった。
ドメーヌ・ルイ・ジャド、クロ・ヴージョ、グラン・クリュ、2009年。
クロ・ヴージョを、しかも2009年という素晴らしいヴィンテージを用意してくれたことに感謝。
先月ブルゴーニュに旅し、シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョを訪問したばかりなので余計に嬉しい。
まだまだ若く、10年後に飲めばもっと美味しくなると感じさせる強く複層的なストラクチャー。
最初は硬かったが、時間と共に開き、綺麗な果実味が現れる。
タンニンは強いが酸味も充分にあるので、バランスが素晴らしい。
コルクは長く、品質もとても良い。
肉料理は、ロッシーニ、ソース・ペリグー。
周りに添えられている野菜が可愛い。
ソース・ペリグーは、牛肉の出し汁にマディラ酒とトリュフを加えて煮詰めたソース。
田中ソムリエールが、「高原様のために黒トリュフをいっぱいのせました」とテーブルに届けてくれた。
トリュフの香りが素晴らしい。
フォアグラが大きく、ヒレ肉が霞んで見える。
デセールの前に、少しフロマージュも食べることにする。
ハードと白カビ。
ハードはナッツと共に、白カビは無花果のコンフィチュールと共に。
小さなカップの中は、シェーブル。
スープを加えて温めて食べるという柳原料理長の新作。
ここにも黒トリュフが振り掛けられている。
クロ・ヴージョの最後のグラス。
何時も思うのだが、充分に開いた最後のグラスが一番美味しい。
デセールは、金柑のヌガー・グラッセ、ピスタチオのムースリーヌ。
冬に食べる冷たいヌガーグラッセも美味しいものだ。
赤い果実のチュイルの裏側には、ピスタチオのムースリーヌと金柑のコンポート。
「お店からです」と田中さんがディジェスティフを持ってきてくれた。
ソーテルヌ、シャトー・ラモット、ギニャール、2008年。
格付第二級のグラン・クリュ。
濃厚な黄金色。
ハチミツ、柑橘のコンポート、バニラのニュアンス。
上品な甘い果実味が素晴らしい貴腐ワインだ。
セパージュは、セミヨン90%、ソーヴィニヨン・ブラン5%、ミュスカデ5%。
「今年のクリスマス・ディナーも素晴らしかったわ。何時もありがとう」と彼女。
「今年も素敵なワインを用意してくれた坂元支配人に感謝だね」と私。
満ち足りた思いで、坂元支配人と田中ソムリエールに見送られ、店をあとにする。
何時ものとおり彼女はお腹がいっぱいだというので、六本木ヒルズまで散策。
夜も遅くなり、66プラザのクリスマスツリーの灯りが一層輝きを増している。
何時ものとおり、成城石井で彼女の翌朝用のサラダを幾つか購入。
六本木駅に向かおうとすると、「まだお腹がいっぱいだから、今夜はもう少し一緒に歩きたいな」と彼女。
地上に出ると、ミッドタウン六本木を抜け、さらに散策。
赤坂サカスまで来てしまった。
彼女はハイヒールでも速足で歩けるのが不思議だ。
彼女が突然立ち止まり、「あ、焼き芋。食べたいと思わない?」。
ということは、彼女が食べたいということ。
一袋を購入すると、焼き芋を二つに割って半分を私にくれる。
お腹がいっぱいなのでここまで歩いてきたのに、焼き芋とは、と思ったが、これがなかなかに美味い。
赤坂の繁華街で焼き芋を売っているのは何と言う店なのだろうと振り向くと、何とドン・キホーテ。
彼女と過ごすクリスマス・ディナーの夜は、楽しく更けていきました。