ランチはオルセー美術館のなかのレストランでとることにしていた。
その名前も、『レストラン・ミュゼ・ドルセー』。
11時30分開店なので、11時15分頃に行くと、既に長い列が出来ている。
私達は20人目くらいだろうか。
これなら人気の窓際のテーブルを確保できそうだ。
問題なく窓際のテーブルに案内される。
窓の外、右手にはセーヌ川。
このレストランの人気の訳は、このインテリア。
素晴らしい天井画が描かれ、シャンデリアが眩く煌めく。
しばらくはメニューを見るのも忘れ、美しい世界に心を奪われる。
テーブルの横には裸婦像。
目の前には豊満なお尻。
まずはシャンパーニュで乾杯。
このたっぷりの量が嬉しい。
彼女のシャンパーニュは、エドシック・モノポール、ロゼ・トップ、ブリュット。
エドシック・モノポールは1785年創業の名門メゾン。
セパージュは、ピノ・ノワール70%、シャルドネ20%、ピノ・ムニエ10%で、グラン・クリュのプージー村のピノ・ノワールが使われている。
私のシャンパーニュは、ヴランケン、ブリュット。
ヴランケンは、ヴランケン・ポメリー・モノポールグループのブランド。
彼女が飲んでいるエドシック・モノポールも同じグループのシャンパーニュである。
シャンパーニュのお供に出されたのは、なんとポテトチップス。
続いて大きなパンが三つも届く。
これだけでお腹がいっぱいになってしまいそうだ。
私の前菜は、鴨のパテ・アン・クルート。
彼女の前菜は、クリーミーバターナッツ、スモークした鴨の胸肉、シャンピニオンと炒った種子。
シャンパーニュのグラスを飲み干すと、彼女は白ワイン、私は赤ワインをグラスで注文。
ボトルを確認したかったが、店内が満席となりギャルソンもセルヴーズも目が回る忙しさ。
余計な仕事を増やすことは止めることにする。
私のメインは、鴨のコンフィ、ブルー・ポテトとロースト・ヘーゼルナッツ。
今日は鴨尽し。
骨付きの鴨の脚が出てくるのかと思ったら、ほぐした身を円盤状に成型し、ブルー・ポテトを乗せて出された。
彼女のメインは、シロイトダラとホタテのポット、ライス・ピラフ付き。
鱈の切り身が驚くほど大きい。
量が多くて食べきれないと言って、取り皿をもらって少し私に取り分けてくれた。
このライス・ピラフが意外と美味しく、私が半分食べてしまった。
私は赤ワインをお代わり。
このボルドー、結構美味い。
彼女は白をお代わり。
このシャルドネ、割とイケるとのこと。
私達のあとにも続々と客が入店し、広い店内は満席の賑わい。
「ここ、来てみたかったの。やっと来れて嬉しいわ」と彼女。
「僕も君とここで、こうしてのんびりワインを飲むことができて嬉しいよ」と私。
オルセー美術館の中の素敵なフレンチ・レストラン、『レストラン・ミュゼ・ドルセー』での楽しいランチでした。