代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』で開催された、パリ祭のパーティーに彼女と共に参加した楽しい夜の続き。
ドゥラモットのあとの白ワインは、ドメーヌ・J. A. フェレが造る、プイィ・フュイッセ、レ・メネトリエール、オー・クラッセ、2011年。
ドメーヌ・J. A. フェレはプイィ・フュイッセを代表する造り手。
ルイ・ジャドの傘下で、若き女流醸造家のオドレ・ブラチーニが率いるドメーヌである。
黄桃や林檎の豊かな果実味。
炒ったナッツやブリオッシュ、そしてヴァニラのニュアンスが続き、綺麗な酸とミネラルがボディを引き締めている。
これは正に上質のプイィ・フュイッセだ。
発酵、熟成共にオークの樽で行い、熟成は新樽と一年樽で10ヶ月。
ところで、この方が醸造家のオドレ・ブラチーニ女史。
(写真は日本リカーのH.P.からお借りしました。)
フランス産鴨フォアグラのデクリネゾン、爽やかな林檎のコンポートを添えて。
デクリネゾンとは、ひとつの素材を複数の調理法で供すること。
フォアグラのポワレ、林檎のコンポートとバルサミコのソース。
コンポートにした林檎は、王林、ルナゴールド、フジが使われている。
フォアグラのテリーヌ。
下にはブリオッシュが敷かれ、テリーヌにはソーテルヌ・ワインのジュレが使われている。
フォアグラのフラン、トリュフのスープ。
熱々のパンが届く。
お供はエシレバター。
二種類目の白ワインは、二人が好きな銘柄。
ロワール、サンセールを代表する造り手、アルフォンス・メロのサンセール、ジェネラシオンⅩIⅩ、2009年。
アルフォンス・メロは長い歴史を誇り、現当主は19代目。
その19を名前に冠する、高級キュヴェ。
ロワールのソーヴィニヨン・ブランでは、プイィ・フュメ地区の名門、ドゥ・ラドゥセットのフラッグシップ、バロン・ド・エルが好きだが、このジェネラシオンはそれに匹敵する素晴らしいワインだ。
天然スズキのポワレ、オマール海老とムール貝添え、サフランの香るブイヤベース風ジューソース。
スズキのポワレはサフランライスの上に乗っている。
ムール貝はノルマンディー産。
ソースが注ぎ込まれると、魚介の素晴らしい香りが立ち上る。
オマール海老も大きくプリプリで美味い。
赤ワインは、ルイ・ジャドのボーヌ、クロ・デ・ユルシュル、2007年。
クロ・デ・ユルシュルはプルミエ・クリュ畑だが、2007年まではその表記が無く、2008年以降には表記がある。
クロ・デ・ユルシュルは、ジャド家が1826年から保有する素晴らしいモノポール畑。
ベリー系の香り、腐葉土や鉄のニュアンス。
やはりルイ・ジャドのドメーヌ物は美味い。
薄旨系のピノは、光に透かすと美しい像を結ぶ。
サロンには、ベルナール・ビュフェの絵が飾られている。
代表作の一つ、カルメン。
ベルナール・ビュフェは、第二次世界大戦後のフランスの具象絵画の代表的な画家。
これも代表作の一つ、エスカミリオ。
エスカミリオは「カルメン」に登場するマタドール。
代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす、素敵なパリ祭のパーティーの夜は続きます。