二月のこと、彼女と銀座の”何時ものフレンチ”、『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』で待ち合わせ。
でもその前に、東京ミッドタウン日比谷に立ち寄り。
バレンタインデーの直前なので、ピンクのハートのデコレーション。
買い物を済ませると、外を散策しながら今夜のお店に向かうことにする。
日比谷仲通りのイルミネーションは次々と色が変わり、美しい。
数寄屋橋交差点を過ぎ外堀通りを進むと、マロニエゲートギンザ1が見えてきた。
今夜も開店と同時に入店したので、他に客は居ない。
でも30分後には、ほぼ満席に。
彼女が現れ、席を立って出迎える。
乾杯のワインは何時ものヴーヴ・アンバル、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット・ミレジム、2016年、プール・ヒラマツ。
勢いのある泡立ち。
ヴーヴ・アンバルのクレマンはガス圧が高く切れ味の良いブリュット。
2016年は熟成感が一層あり、黒ぶどうの果実味も強い。
ぶどうは、シャルドネ、ピノ・ノワール、ガメイ。
何時ものバゲット。
フランスから生地を冷凍で空輸し、ここで焼き上げている。
ベニズワイガニのラグー、甲殻類のジュレとカリフラワーのムース、シャンピニオンのカプチーノを乗せて。
甲殻類のジュレにはオマール海老と甘海老が使われている。
ベニズワイガニに甲殻類を合わせると特有の臭みが気になるところだが、それが全くない。
甲殻類の旨み、シャンピニオンの香りが素晴らしい一皿だ。
魚料理に合わせるのは、シャブリ。
モロー・ノーデが造る、シャブリ、2017年。
モロー・ノーデは、17世紀から続く家族経営のドメーヌ。
今は”シャブリのニュージェネレーション”と称される注目のドメーヌ。
海外でOKマークとは珍しいと思ったら、ぶどうをつまんでいる絵だった。
ブラジルでOKマークは”トマノクー”(ケツの穴)を意味するので、教養のある方は決して使ってはいけない。
豊かな果実味、複層的な味わい、活き活きとしたミネラル。
大量生産のシャブリとは一線を画し、コート・ドールのシャルドネを思わせる強いボディ。
有機栽培、手摘み、野生酵母の使用など、自然な造りを徹底しているのだそうだ。
カダイフを纏った函館港ヤナギメバルのロティ、トマトとアーリーレッドのマリネ、島根県八代の天然青海苔を使ったソースブールブラン。
ヤナギメバルは滅多に獲れない高級魚。
それを食べることが出来るとは幸せ。
それにしても、カダイフで魚を巻いてしまうとは。
添えられているアーリーレッドは、甘みが強いレッドオニオン。
「ブールブランソースに青海苔を入れるのは好きなの」と彼女。
バターベースのソースが少し和風の味わいとなり、ヤナギメバルに良く合って美味い。
銀座の”何時ものフレンチ”、『ブラッスリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。