日本橋のイタリアン、『代官山ASO チェレステ日本橋』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
白ワインは、彼女が好きなソーテルヌの辛口。
ペサック・レオニャンの銘醸、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのベルナール家がソーテルヌで造る、クロ・デ・リュンヌ、キュヴェ・リュンヌ・ダルジャン、2014年。
ライム、グレープフルーツや熟した洋梨の香り。
口に含むと、強い果実の熟成感、そして綺麗な酸とミネラル。
強い骨格、複層的なストラクチャーを持つ素晴らしいボディ。
セパージュは、セミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%で、貴腐ぶどうが少量加えられている。
プリモピアットは、寒こうじでマリネした「比内地鶏」のアニョロッティとそのブロード、「三関せり」のサルサベルデのアクセント。
今夜は秋田県とのコラボメニュー。
秋田の杉材が使われている。
見た目は洋風水餃子。
比内地鶏は滋味豊かで美味い。
三関せりのサルサヴェルデのチューブは、『チェレステ』の名前入り。
「使い残したものは是非お家でお楽しみください」とのこと。
アニョロッティに少し乗せ、味変して楽しむ。
二種類目のパンは、オリーブのフォカッチャ。
赤ワインは好きな造り手の、好きなぶどう品種。
ロワール、サンセールのアルフォンス・メロが造る、サンセール・ルージュ、レ・ムシエール、2010年。
アルフォンス・メロはサンセールで19代続く名門で、フランスで最高の造り手の一つに数えられている。
赤果実の豊かな香り。
ぶどうの熟成感、活き活きとしたミネラル、綺麗な酸のバランスが素晴らしい。
ラ・ムシエールはサンセールの丘の頂上部の南から南東向きの場所にある、サンセール最上の畑。
サンセールとソーテルヌの並行飲み。
この飲み方がお気に入り。
それにしても、さっと注いだのに二つのグラスの量がほとんど同じなのはプロの技。
セコンドピアットは、【秋田県羽後町の恵み】。
羽後町上級黒毛和牛「うご牛」のアロッスト、「みほうまれ」の焼きリゾットを添えて。
「秋田うご辛美だいこん」のモスタルダ。
石孫本店天然醸造味噌「樽の音」のソース。
うご牛のイチボ肉のローストは脂が適度にのった赤身で、柔らかくジューシーでとても美味い。
肉料理のお供には、プレーンのフォカッチャ。
肉が美味しいと赤ワインが進む。
既に三杯目か四杯目。
ドルチェは驚きのヴィジュアル。
天の戸純米大吟醸45と虹舞粉(なないろまいこ)のカンノーリ、白イチジクのコンポスタとともに、あめこうじ甘酒のジェラート。
虹舞粉のチュイルの下面にはリコッタチーズ。
その先にはフィノッキオ(フェンネル)の花。
カンノーリはシチリアの伝統菓子で、円筒状に揚げた生地の中にリコッタチーズをベースにしたクリームを詰めたもの。
ここでは虹舞粉の生地が使われている。
虹舞粉は、羽後町特産の蕎麦、にじゆたかで作られた蕎麦粉。
白イチジクのコンポスト(コンポート)の上には、天の戸純米大吟醸45のジュレ。
天の戸純米大吟醸45は、秋田県横手市の浅舞酒造が醸す酒で、吟の精を45%まで磨き、自社酵母で醸されている。
チュイルの上には、あめこうじ甘酒のジェラート。
あめこうじは秋田県で開発された麹菌。
チュイルを割ってグラスの中に落とし、混ぜて食べる。
折角の美しい造形を崩すのは残念だが、とても美味い。
食後のコーヒーを飲みながら、彼女と料理の感想を述べあうのも楽しい。
今夜の菊池シェフの料理も素晴らしかった。
サービスカウンターの向こう側、ダイニングルームは満席の賑わい。
満ち足りた思いで店をあとにする。
お腹がいっぱいなので中央通りを散策することにし、一階でビルを出る。
振り返ると、今まで居た日本橋三越本店新館が明るく輝く。
夜の日本橋は美しい。
ここに来たら麒麟の像を撮影するのがルーティンになっている。
次に見えてきたのは、日本橋高島屋の南館。
日本橋も綺麗になった。
彼女と過ごす日本橋の夜は素敵に更けていきました。