『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』で開催された15周年記念パーティーに彼女と共に参加した楽しい夜の続き。
クレマン・ダルザスの次は、シャブリ。
ドメーヌ・ビヨン・シモンが造る、シャブリ、テット・ドール、2018年。
ドメーヌの設立は1815年。
保有する17haの畑の中には、四つのグラン・クリュ畑、四つのプルミエ・クリュ畑がある。
テット・ドールは、グラン・クリュ、プルミエ・クリュの畑に隣接する区画のぶどうを用いて造られるスペシャル・キュヴェ。
輝きのあるペール・ゴールド。
柑橘類の花の香り、豊かな果実味、シャープな酸、活き活きとしたミネラルが完璧なまでに調和している。
栽培はリュット・レゾネとビオディナミの併用。
熟成は半分は樽で、残り半分はステンレスタンクで、12ヶ月。
ポワソンは、リヨン風スズキの軽いクネル、オマール海老添え、ソースアメリケーヌ。
オマール海老の存在感が素晴らしいが、この料理ではあくまで添え物。
メインは、リヨン名物のクネル。
リヨンではカワカマスが使われるが、日本には生息しない魚なので、代わりにスズキが使われることが多い。
オマール海老のソースが濃厚で美味い。
クネルはふわふわで口の中でとろけてしまう。
添え物であっても、オマール海老は間違いない美味しさだ。
デキャンタから赤ワインが注がれる。
他のテーブルはボトルから直接グラスに注がれているが、何故か私達にはデキャンタでサーヴ。
ローヌのM.シャプティエが造る、クローズ・エルミタージュ、レ・ヴァロニエール、マグナム、2007年。
15周年記念なので、2007VTに拘ったとのこと。
このワインはシャプティエの最高峰、”セレクション・パーセレール”シリーズの一つ。
平均樹齢60年の区画のぶどうを使い、栽培はビオディナミ。
色合いは濃厚なガーネット。
黒果実の素晴らしい凝縮感、強い果実味とベルベットのようなタンニンとのバランスが良い。
まだまだ熟成のポテンシャルを感じさせるフルボディだ。
サービスワゴンが出され、シェフたちがヴィアンドの盛り付け。
星野シェフがソースを注ぎ入れ、出来上がり。
仔牛のクリーム煮、ブランケット・ド・ヴォー、季節の野菜とともに。
ブランケット・ド・ヴォーはフランス人が好きな料理のNo.1と言われている。
使われているのは、仔牛のすね肉。
そしてリー・ド・ヴォー。
間違いなく美味い料理だ。
デセールは、パリ・ブレスト、バニラアイスクリーム添え。
パリ・ブレストは大好きなので嬉しいデセール。
「何故パリ・ブレストという名前なの」と彼女。
先日はピーチ・メルバについて聞かれたが、今度はパリ・ブレスト。
「パリ・ブレスト・パリという、パリとブレストを往復する自転車レースを記念して作られた車輪型のお菓子なので、パリ・ブレストと名付けられたんだよ。今も続いている世界最古の自転車レースで、確か走行距離は往復1,200kmあったと思う」と私。
由来をよく知っているスイーツを出してくれた星野シェフに感謝。
バニラアイスクリームはとても滑らかで、バニラの香りが素晴らしい。
『メゾン ポール・ボキューズ』の先﨑支配人や『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』の松尾支配人が次々と挨拶に来てくれ、お話しするのも楽しい。
今夜の食事もワインも素晴らしかった。
満腹満足で店をあとにする。
「銀座マロニエゲート1」を出ると、お腹がいっぱいなので少し散策して帰ることにする。
有楽町駅前から、数寄屋橋方面に歩く。
マリオンの中を抜ける。
何時もは数寄屋橋交差点を明るく照らして光り輝いている「銀座東急プラザ」は改装中。
メゾン・エルメスも今夜はあまり明るくない。
電力消費削減に協力しているのだろう。
彼女と過ごす銀座の夜は素敵に更けて行きました。