8月のこと、池袋の『GINTO』でお誕生日のお祝いをした後は、海の桜さんは次の目的地に飛び立たれ、しづちゃん、なぎささん、そして私の三人は次の場所に移動。
池袋から丸の内線に乗って降り立ったのは、丸の内。
ここは「丸ビル」のマルキューブ。
何の催しかと思ったら、”レゴ マインクラフト 大型ジオラマ展示”。
レゴの大型の作品がいっぱい並んでいる。
丸の内仲通りを歩き、目的の場所に向かう。
夏の丸の内仲通りはパーク化していて楽しい。
ストリートピアノの美しい演奏を聴きながら、歩を先に進める。
お二人をご案内したのは、重要文化財の明治生命館。
目的の場所は、ここの一階の「静嘉堂文庫美術館」。
「静嘉堂」の概要は、H.P.を引用。
「静嘉堂は、岩﨑彌之助(1851~1908 彌太郎の弟、三菱第二代社長)と岩﨑小彌太(1879~1945 三菱第四代社長)の父子二代によって創設・拡充され、現在、国宝7件、重要文化財84件を含む、およそ20万冊の古典籍(漢籍12万冊・和書8万冊)と6,500件の東洋古美術品を収蔵」。
チケットを購入し、入館。
開催されていた企画展は、”あの世の探検 地獄の十王勢揃い”。
お誕生日のお祝いのあとの企画として相応しいか疑わしいところだが、興味のある内容。
第一章は”極楽浄土への招待”で、撮影は禁止。
第一節”中国・朝鮮の仏画”の4点、第二節”日本の仏画”の7点を見て歩く。
第二章”あの世の探検-十王図の世界”は撮影可。
ここの目玉は何といっても「十王図・二使者図」。
以下、H.P.を引用。
「人が現世を離れ、冥界に行くと、閻魔大王など10人の大王(地獄の十王)がいて、罪業を裁くと考えられています。そのため、亡くなった方の縁者が十王を供養することによって、その極楽往生を祈ってきました。静嘉堂文庫美術館所蔵の「十王図・二使者図」(中国・元~明時代)は、圧倒的なエネルギーに満ちた作品で、地獄に出向いて救済をする「地蔵菩薩十王図」(高麗時代)と一具で伝来してきた名品です。 本展では静嘉堂文庫美術館の所蔵品の核の一つである仏教美術、中でも、1999年の『仏教の美術』で初公開して以来、揃って展観する機会のなかった、「十王図・二使者図」及び「地蔵菩薩十王図」全13幅を一堂に展観することで、往時の姿をしのびます」。
全13幅の展示は圧巻。
一幅毎に説明書きを読みながら見て歩く。
新海竹蔵作、「金銅阿弥陀如来坐像(模刻)」(1925年5月) 初公開
これは鎌倉大仏(国宝「銅造阿弥陀如来坐像」、1252年、高徳院蔵)の模像。
高さは39cmとミニサイズ。
アングルを下げると、まさに鎌倉の大仏。
新海竹蔵は、師である伯父の新海竹太郎と共に関東大震災で破損した鎌倉大仏の修理に従事している。
”鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな” 与謝野晶子。
「木造兜跋毘沙門天立像」(平安時代10世紀) 初公開
平安期の仏像の特徴として、服装が和様化しているのだそうだ。
「十二霊獣図巻」(室町時代 16世紀)
霊獣は中国由来の空想上のもので、白沢、三角獣、兕、酌犬、青熊、角獣、猙、挑抜、壟蛭、天馬、げん、駮の十二種が色鮮やかに描かれている。
麒麟を見付けた。
説明を読むと、角獣(かくじゅう)という名前で、”天下泰平の時に現れる瑞獣で、キリンの類だという”とのこと。
第三章は、”昇天した遊女-円山応挙筆「江口君図」の謎に迫る”。
円山応挙、「江口君図」(江戸時代 1794年)
謡曲「江口」の、西行と歌を詠み交わした江口の遊女の亡霊が普賢菩薩と化した「江口の君」を描いたもの。
江口の君の上半身は髪の毛の一本一本まで描きこまれているが、下半身は実在感が薄く描かれている。
流石、幽霊画の名手の絵だと納得してしまう。
「曜変天目茶碗(稲葉天目)」(南宋時代 12~13世紀)
もうひとつの今回の目玉は、国宝曜変天目茶碗。
一度実物を見たかった。
説明は、「静嘉堂文庫美術館」のH.P.を引用。
「静嘉堂文庫美術館所蔵の曜変天目(茶碗)は、もと徳川将軍家所蔵であったものが、三代将軍・家光の時代、春日局を経て、後に淀藩主となる稲葉家へ伝えられたとされる。今日、世界中で現存する曜変天目(完形品)は、日本にある三碗のみ、京都・大徳寺龍光院、大阪・藤田美術館所蔵の各一碗と本碗で、すべてが国宝に指定されている」。
鑑賞を終えると、ロビーで解説ヴィデオを視聴。
これは鑑賞前に観た方が良かった。
今回の美術鑑賞も素晴らしかった。
明治生命館を出ると、街灯には既に明かりが点っている。
丸の内仲通りを、元来た方向に戻る。
自転車とリアカーを一体化させたような面白い乗り物。
なんだか東南アジアの街角のような雰囲気。
ストリートピアノからは今も素敵な演奏が聞こえてくる。
TVでも話題になっている、丸の内ラグビー神社。
”絵馬をプレゼント”のメールが来ていたが、絵馬をもらうのを忘れてしまった。
面白いロボットが自走している。
物品販売ロボットなのだそうだ。
皆さん興味津々で立ち止まり、眺めたり撮影したりしている。
行幸通りまで来た。
ここに来ると、東京駅丸の内駅舎を撮影してしまう。
なぎささんが、しづちゃんと私の写真を撮ってくれた。
風が強く、私の身体が右に傾いでいる。
友人たちと過ごす、丸の内の楽しい午後は続きます。