6月のこと、銀座駅に降り立つ。
家を出た時は、しとしと雨が降っていた。
中央区も雨の予報。
そこで銀座駅から地下道を通り、目的地の「銀座マロニエゲート1」近くで地上に出た。
ところが雨は降っておらず、地面も乾いている。
「銀座マロニエゲート2」の前の植え込みの紫陽花は満開。
マロニエの緑が美しい。
マロニエの和名はセイヨウトチノキで、春には美しい花を咲かせる。
”ここからマロニエ通り”の標識。
ここはマロニエ通りの入口なので、この両側に立つ建物が”銀座マロニエゲート”。
彼女と待ち合わせているお店は、『ブラッスリー ポール・ボキューズ銀座』。
開店時間前に着いたのでまだ暗いが、すぐに明かりが灯され、中に案内される。
一番乗りしたので、他に客は居ない。
でも一時間後にはほぼ満席となった。
窓際の席に座ると、雨が降らないばかりか西日が眩しい。
竹内支配人の指示で、すぐにシェードが下ろされる。
今夜はちょっと贅沢なコース料理を予約している。
このセルヴィエットを見ると、食欲が湧いてくる。
彼女が到着し、竹内支配人がシャンパーニュを注いでくれる。
今夜のシャンパーニュは、イヴ・ジャック、ラ・キュヴェ・セレクション、ブラン・ド・ブラン、ブリュット。
1932年にコート・デ ・ブラン近郊のプチ・モランでぶどう栽培を始め、1962年にイヴ・ジャックを初リリース。
17haの自社畑から高品質のシャンパーニュを生み出している。
バックラベルを見ると、シャルドネの収穫年は2017年、2018年、2019年。
デゴルジュマンは2022年3月25日。
柑橘系の香り。
豊かな果実味と熟成感、蜂蜜、ブリオッシュのニュアンス、長い余韻。
このシャンパーニュを飲むのは三度目だが、今夜が一番美味しく感じる。
自宅のセラーに加えたい、素晴らしいブラン・ド・ブランだ。
アントレは、ホタテ貝のナージュ仕立て、軽いカリフラワーのムースリーヌ、爽やかな白ワインのゼリーと共に。
ナージュは泳ぐという意味で、たっぷりのスープが注がれる料理なのだが、星野シェフのナージュ仕立てはスープが無い。
代わりにゼリーが掛けられ、その頂上にはキャビア。
たっぷりのホタテ貝の下には、カリフラワーのムースリーヌ。
『ポール・ボキューズ』のスペシャリティ料理は本当に美味い。
バゲットとバターも届く。
白ワインは、南仏ルーション地方のコンソラシヨンが造る、コート・カタラン、コンソラシヨン、ジュリエット、2021年。
このワインを飲むのも三回目。
南仏のぶどう、ルーサンヌ100%で造られている。
アルコール度数は14%と強め。
トロピカルフルーツ、パイナップルの香り。
濃厚な果実味、リッチなボリューム感、それでいて重過ぎない綺麗なボディ、そして後味には軽い苦み。
やはりジュリエットは美味い。
ポワソンは、スズキのポワレ、海の幸と焼きリゾット、クリアーなソースブイヤベース。
素晴らしい香り。
海の幸は、鱸、海老、ムール貝。
野菜は、青梗菜、インゲン、しめじ、冬瓜。
鱸の下には、焼きリゾット。
米をパルミジャーノ・レッジャーノとアサリのスープで炊き上げ、整形して焼いている。
彼女と過ごす、銀座の『ブラッスリー ポール・ボキューズ』での楽しい夜は続きます。