6月のこと、銀座のフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
シャンパーニュ、ルーションのルーサンヌを飲んだ後は、白ワインをもう一種類。
コート・デュ・ローヌのドメーヌ・デ・ザコルが造る、リートナンデュ、2021年。
リートナンデュとは予想外という意味。
購入した畑に変わったぶどうの樹を見付け、調べたところ希少品種のカリニャン・グリだったとのことで、そのカリニャン・グリを使い、ラルロの旧樽1個とルフレーヴの旧樽2個を使って熟成させた特別キュヴェ。
ぶどう栽培はオーガニックで、ユーロリーフ、デメテール、ABの認証を取得している。
トロピカルなフルーツの香り。
果実味はパワフルで重厚だが、酸とミネラルがしっかりとあるのでバランスの良いワインに仕上がっている。
何とも表現しにくいが、初めて飲むまさに予想外の個性的なワインだ。
白ワインと共に味わっている料理は、鱸のポワレ、海の幸と焼きリゾット、クリアーなソースブイヤベース。
陽が陰ってきたので、シェードが上げられた。
ビルに明かりが点り始めている。
シャンパーニュ、白、白と飲んだ後は、赤ワイン。
ラングドックのシャトー・エグ・ヴィヴ、コルビエール・ブートナック、2020年。
このシャトーのオーナーは、元ラグビーフランス代表のジェラール・ベルトラン。
彼はワイン・ビジネスで成功を収め、今では11のワイナリーを経営し、畑の面積は約500haに達している。
彼には南麻布のフランス大使公邸でお会いしたことがある。
色合いは濃いガーネット、豊かな黒ぶどうの香り。
カシス、プルーン、ブラックベリー、そして黒胡椒、樽のニュアンス。
タンニンは強いが綺麗に果実味に溶け込んでいる。
ヴォリューム感のあるフルボディだ。
アルコール度数は15%ととても高い。
ぶどうは、シラー、グルナッシュ、カリニャン、ムールヴェードルで、栽培はビオディナミ。
ヴィアンドは、麦黒牛フィレ肉のロースト、黒胡椒風味、スパイシーなジューソース、グラタンドフィノワとともに。
肉厚のフィレ肉の上には、粗挽きの黒胡椒がたっぷり。
グラタンドフィノワが付いているのは如何にもリヨン料理。
素晴らしい火入れ。
柔らかな肉が美味い。
スパイシーなソースの牛肉とフルボディの赤ワインが良く合う。
デセールは、甘酸っぱいマンゴーと滑らかなココナッツのブランマンジェ、エキストラバージンオイルのアイスクリーム。
フルーツは、マンゴー、パッションフルーツ、ブルーベリー、キウイ。
暑い季節に旨いスイーツだ。
いっぱいになったお腹を熱いコーヒーが癒してくれる。
食事を終える頃には、外は夜の帳に覆われ、ビルの窓に明かりが点っている。
星野シェフが挨拶に来てくれたので、シェフが出演したYouTubeの話題で盛り上がる。
mayuさんが教えてくれた星野シェフ出演のYouTubeはこちら。
店の出口には在りし日のポール・ボキューズさんの写真。
竹内支配人に見送られ、満腹満足で店をあとにする。
「銀座マロニエゲート1」を見上げると、先程までいたテーブル横の窓が見える。
空は雲に覆われているが、雨粒は落ちてきていない。
少し夜の銀座を散策することにする。
何時もモノトーンなマックスマーラのショーウインドーが華やいでいる。
モンクレールは何時も意匠に富んでいる。
でも夏にこの服装を見ると暑く感じてしまう。
シャネルのショーウインドーも既に秋の装い。
こちらはルイ・ヴィトン。
後ろ姿も見えるのはなかなか良い。
彼女が好きなヴァンクリもショーメも明るく輝く。
彼女と過ごす銀座の夜は素敵に更けていきました。