8月の平日の夜、友人にお誘いを受け東十条駅に降り立つ。
今夜のお店は十条駅の近くなのだが、東十条駅からも歩いて遠くない。
演芸場通り商店街を進むと、名前の由来の「篠原演芸場」。
ここは大衆演芸のメッカ、ほぼ毎日昼夜二回の公演がある。
今夜のお店がある路地に到着。
でも目に付くのは『トムボーイ』だけで、他に飲食店らしきものは見当たらない。
路地を行ったり来たりしていると、今夜の会を企画してくれたすみれさんと出会う。
「ここですよ」と教えてくれたのは、まさに私が立っていた目の前のビル。
でも、どこにもお店の名前が無い。
階段の上から地下を覗き込むと、表札らしきものに一輪の椿の花。
ここが日本酒バーの人気店、『にほんしゅ 椿』。
ドアを開けると、丸い窓から店内が見える。
カウンター11席のお店は会員または会員による紹介客限定で、予約受付開始と同時に満席となる超人気店。
ここは、同じく十条にある『サケラボ トーキョー』の姉妹店。
一年余り前に『サケラボ トーキョー』を訪問した時の記事はこちら。
カウンターにはワイングラスがセットされている。
そして、和み水のボトル。
今回は初訪問なので、”おつまみ中心のペアリングコース”。
次回からは他のコースを選べるのだそうだ。
最初の一品は、酒粕のスープ。
山口県下関市の長州酒造が醸す天美の酒粕に、出汁と生姜が加えられている。
北海道産鰤のなめろう。
胡瓜とレモングラスが加えられていて美味い。
鰤のなめろうに合わせて出された酒は、一つの酒を二つの飲み方で。
栃木県小山市の小林酒造が醸す、鳳凰美田 純米吟醸 無濾過本生。
使用米は、麹米が山田錦、掛米が五百万石で、精米歩合は55%。
左のグラスは鳳凰美田をソーダ水で割ったもの。
右はそのままを冷酒で。
まずはスパークリングの酒で乾杯。
改めて今夜のメンバーは、すみれさん、茶目子さん、そして私。
次の料理に合わせ、新しい酒が注がれる。
酒は二種、そして料理も二種。
こちらはトロパン。
カリッと焼かれたパンドミーの上に、ネギトロ。
煮卵の牡蠣醤油漬け、イクラ乗せ。
卵の黄身の色が食欲を誘う。
振りかけられているのは台湾のスパイス、マーガオ(馬告)。
友人たちと過ごす、十条の楽しい夜は続きます。