築地の『銀座クレストンホテル』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
シャンパーニュを飲み干すと、ブルゴーニュの赤に切り替える。
シャンパーニュと同時に抜栓しておいたのだ。
今夜のブルゴーニュは、私が好きな造り手、フィリップ・シャルロパン・パリゾのマルサネ・ルージュ、アン・モンシュヌヴォワ、2009年。
2009年は良いヴィンテージなので、まとめ買いしてセラーで3年程寝かせておいたブルゴーニュの内の1本である。
グラスに注ぐと、本当にブルゴーニュのピノ・ノワールかと疑うほどの濃さ。
濃厚な果実味を持ち、芳醇でとても力強い。
リュット・レゾネ(減農薬農法)で栽培されたぶどうを用い、新樽比率は50~70%と高い。
これは素晴らしいマルサネ、いやマルサネを超える驚くべきピノ・ノワールと言える。
シャンパーニュに続く当たりのワインに、彼女の顔が一層輝く。
以前2009年のパリゾがブショネだったことがあったので、今夜は杞憂に終わって本当に良かった。
実は抜栓の時にコルクが折れ、劣化を心配したのだ。
でも、コルク自体の状態は良く、香りにも問題は無い。
ここの唐揚げは実に美味いのだ。
レアーで頼んだが、本当に綺麗なレアーで届いて彼女も大喜び。
パリと日本で活躍する、パティシエ・サダハル・アオキ・パリの焼き菓子。
「え、嬉しい」
でも、残ったワインのために、買い物に出ようと言う。
マックのワールドカップ限定メニューを食べたいと言うのだ。
今夜のワールドカップメニューは、オランダ、ベルギー、フランス、そしてジャパン。
彼女はフランスバーガー、チキンコルトンブルーと、フランス・マックフルーリーを選ぶ。
食べすぎだよと言いながら、彼女から差し出された半分を美味しく食べてしまう。
「え~、こんなにデザートを買ってどうするの?」
「色々試してみたいの。貴方が半分以上食べてくれれば大丈夫」
ポットでコーヒーを持ってきてもらい、のんびりとデザート・タイム。
でも、明らかに食べ過ぎ。
外を観ると、汐留、丸ノ内、そして遠くに六本木のビル群が明るく輝く。
彼女と過ごす、築地の『銀座クレストンホテル』での楽しい夜でした。