KITTEの『ドン・ピエール・ハート』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
ワインは三本目に突入。
支配人が、リストに載せていないブルゴーニュがあると言うので、早速抜染してもらう。
ビトゥーゼ・プリュールが造る、ヴォルネー・プルミエ・クリュ、クロ・デ・シェーヌ、1994年。
ビトゥーゼ・プリュールは、ヴォルネーの名人と呼ばれる造り手で、長期熟成に耐えるワイン造りで定評がある。
20年の時を経てもっと褪色しているかと思ったが、しっかりとした濃いルビー色を保っている。
抜栓したばかりなので眠りから覚めていないが、それでもしっかりとした果実味と熟成を感じることができる。
そしてまだまだ熟成のポテンシャルを持っていることに驚く。
時間と共に香りが開き、繊細で優雅なヴォルネーの特徴が出てくる。
1994年は良い年ではないが、それでも充分に美味い。
リコルクされていないようで、コルクのかなり上部まで濡れているが、状態は良い。
熟成したピノ・ノワールに良く合う。
赤ワインになると、パンも進む。
このパンは、京橋に店があった時と同じ。
お代わりをもらって食べてしまう。
これもここの定番メニューで、変わらぬ美味しさを保っている。
私の取り分け技術を知っているので、お店の方が「ご自分で取り分けられますか」と言って、大振りなフォークとスプーンを渡してくれる。
料理を二人の皿に取り分け、ソースも全てすくって振り掛けると、「素晴らしいです」と言って空いた皿を下げてくれる。
私はブルーベリーのミルフィーユを選択。
これは美味い。
彼女はここをすっかり気に入ったようだ。
食後のコーヒーも香しい。
「ね、ここは料理も美味しいしワインも素敵ね。もっと早く連れてきてもらいたかった。また来ようね」と、彼女は上機嫌。
まだ仕事をしている人が多いようだ。
丸ノ内、KITTEの『ドン・ピエール・ハート』で彼女と過ごす、素敵な夜でした。