赤坂の『あじる亭カリフォルニア』で開催されたナカイ・ヴィンヤードのワイン会の続き。
二本目のワインは、今夜のリストに載っていない、代理店のデプト・プランニングからのサプライズ。
ナカイ・ヴィンヤード、シャルドネ、ロシアン・リヴァー・ヴァレー、2005年。
ほぼ10年を経たバック・ヴィンテージ。
口に含むと、まるでモンラッシェのような熟成した味わい。
彼女は、「中井さん、素晴らしく熟成していますね。美味しくて好きです」。
中井さんは、「そうですか、アメリカ人は古くなったシャルドネなんか飲みませんよ」。
この会話を聞きながら、アメリカで売れ残ったバック・ヴィンテージのワインを安く買い込むことはできないものかと考える私。
アミューズの次は、毛ガニとインゲン、キャベツのタルタル、グレープフルーツとみのり農園のサラダ。
新鮮な野菜が美味いし、毛ガニの入ったタルタルが付いているので、ワインとも美味しく合わせることができる。
中井さんはワインについて語るのに忙しく、食事をする暇もない。
もっとのんびり座って食事もしましょうと言うのだが、ワインについて語り始めると止まらない。
とても控えめで誠実な方なのだが、とてもお洒落でもある。
そんな中井さんが大好きだ。
三本目のワインは、ナカイ・ヴィンヤード、ロシアン・リヴァー・ヴァレー、ピノ・ノワール、エステイト・ボトルド、2012年。
待ちに待った中井さんのピノ・ノワールのファースト・リリース。
完熟ぶどうをナイト・ハーベストし、フレンチオークで熟成させている。
中井さんのワインの中では、最も高価なワインとなっている。
そのせいではないのだろうが、エチケットも随分大きくなっている。
中井さんのピノはカリフォルニア産だが、味わいはブルゴーニュに近い。
色合いもカリフォルニアのピノにしては淡い。
まだ2012年なので若いが、セラーで何年か寝かせておくと熟成感が増して素晴らしく変身すると思う。
でも、そんなことは中井さんには言わない。
「アメリカ人は複雑な味わいより、若くてわかりやすい味が好きなのです」と言われてしまうから。
これは美味い。
このお店で、私のワイン会を開きたくなった。
素敵な中井さんのワイン会の続きは、また明日。