赤坂の『あじる亭カリフォルニア』で開かれたブラインド・テイスティングの会に、彼女と共に参加した。
その名も「パリスの審判」。
1976年、パリのインターコンチネンタル・ホテルで開催された、フランス・ワインとカリフォルニア・ワインのブラインド・テイスティングの会。
審査員はフランスを代表するワイン関係者達。
フランス・ワインの優越性を証明するために開かれた会だったが、結果はシャルドネ部門もカベルネ・ソーヴィニヨン部門も制したのは、カリフォルニア・ワイン。
田舎のワインと思われていたカリフォルニア・ワインが、一躍世界の表舞台に出るきっかけとなった大事件であった。
今夜はそのブラインド・テイスティングを再現しようという催し。
まずはスパークリング・ワインで乾杯。
フランスのシャンパーニュ・メゾン、ルイ・ロデレールがカリフォルニアで造る、カルテット・アンダーソン・ヴァレー・ブリュット。
本格的なシャンパン製法で造られ、瓶内熟成は26か月。
とてもレベルが高く、本家のシャンパーニュを越えたとも言われている。
冷涼なアンダーソン・ヴァレーにある4つの区画のぶどうを用いることから、カルテットと名付けられた。
ぶどうは自社畑のものを100%使用。
セパージュは、シャルドネ60%、ピノ・ノワール60%。
ブラインド・テイスティングに臨むべく気を張っていたが、一挙に緊張が解けてしまった。
お腹が空いた状態でカルテットを飲むと酔いが回り、テイスティングが出来なくなるので急いで口に運ぶ。
美味い。
二種類のシャルドネが出される。
ブラインド・テイスティングと言っても、どちらがフランスでどちらがカリフォルニアか当てるだけ。
ブルゴーニュとカリフォルニアのシャルドネだと、すぐに判断が付くはず。
と思っていたが、飲み比べてみるとこれがなかなか難しい。
最初のグラスを飲んで、直ぐにムルソーだと思った。
ところがもう一つのグラスを飲んで、困ってしまった。
モンラッシェに思えるのだ。
二種類ともブルゴーニュでは、と彼女も同意見。
でも、どちらかはカリフォルニアのはず。
カリフォルニアでこんな枯れた熟成感のシャルドネを造ることができるのだろうか。
白ワインに合わせて出された前菜は、彩り野菜のテリーヌ、海老のムース添え、ライムの香り。
白ワインに合って美味いが、回答がわからない。
驚きの結果は、また明日。