銀座一丁目の『ラ・カンティーヌ・サントル』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
こちらのお店では、パン、シャリュキュトリ、フロマージュを自由に選べるコースが人気。
パンを4種選んだあとは、シャリュキュトリを選ぶ。
今夜は8種を選択。
これを二人の皿に取り分けるのは私の仕事。
今夜もなかなか綺麗に取り分けることが出来たと、自己満足に浸る。
好きな食材の組み合わせだ。
カラスミは台湾に行った時には必ず購入しているが、実はトルコでも良いカラスミが作られている。
ちょっと雑な盛り方になってしまった。
二人分より取り分けた方が量が多く見えるのは、写真の倍率のマジック。
これは美味い。
白はフランスのものを選んだが、赤は好きな造り手のものがあったのでイタリアを選んだ。
ピエモンテ州のマッテオ・コレッジアが作る、ロエロ・ロッソ、2010年。
マッテオ・コレッジア氏がロエロ地区にカンティーナを創業したのは1935年。
白のロエロ・アルネイスで有名な地区で、赤用ぶどうのネッビオーロはぶどうで販売していたが、自らワイン造りを始め、ネッビオーロのロエロ・ロッソを確立したのはマッテオ氏の業績。
彼は2001年に開墾作業中に不慮の事故で帰らぬ人となってしまったが、奥様のオルネッラ女史によって意思は引き継がれ、素晴らしいネッビオーロが造られている。
バローロやバルバレスコの価格が上がってしまったので、品質で引けを取らないロエロのネッビオーロは私のお気に入りなのだ。
背景の色のためにワインの色合いがわかりにくいが、綺麗なルビー色をしている。
ぶどう本来の自然な果実香を持ち、凝縮されたタンニンと熟成感が素晴らしい。
決して強いボディのワインではないが、ネッビオーロの美味しさを充分に堪能できるワインである。
ぶどう栽培に除草剤は用いず、畑にトラクターも入れないため、土はふわふわなのだそうだ。
彼女は、「本当に美味しいワインを良く知っているのね」と、このワインが気に入ったようだ。
おや、鮎は一匹だけだった。
注文する前に尋ねておけば良かったと反省。
彼女が、「今夜はパンとシャリュキュトリを食べ過ぎだし、食後にフロマージュも食べたいからこれで充分」とフォローしてくれる。
と言う訳で、私の皿に載っているのは鮎の尻尾。
でも、彼女の優しさが身に染みる美味しさ。
銀座一丁目の『ラ・カンティーヌ・サントル』で彼女とと過ごす楽しい夜はまだ続きます。