銀座の『アルジェントASO』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
シャンパーニュを飲んだ後は、最初の白ワイン。
ルーション地区のスター・ドメーヌ、ドメーヌ・ゴビーが造る、コート・カタラン、レ・カルシネール、2009年。
ドメーヌ・ゴビーは自然共生のぶどう造りを実践しており、化学薬品や化学肥料は一切用いない。
85haの所有地の内、ぶどう畑は45haで、残りは森林や草地の自然な環境を残している。
透明感のある黄金色。
パッションフルーツ、ヘーゼルナッツ、蜂蜜の香り。
濃厚な果実味、酸とミネラルも充分に持つ。
セパージュは、ミュスカ50%、シャルドネ30%、マカブー20%。
プリモ・ピアットは、初秋を味わうサルシッチャのスパゲッティ、南瓜と茄子。
サルシッチャの塩味と南瓜の甘みのバランスが良く、とても美味い。
「ワインを飲んでいるとフレンチかと思うけど、パスタが出るとイタリアンなんだと感じるわね」と彼女。
二本目の白は、二人が好きな産地と造り手のもの。
ドメーヌ・クローディ・ジョバールが造る、リュリー、プルミエ・クリュ、2009年。
クローディは代々続く醸造家の家に生まれ、彼女で8代目。
母親のローレンスはジョセフ・ドルーアンで20年間醸造長を務めた人物。
ブルゴーニュで醸造学、ぶどう栽培学を学んだあと、世界各国のワイナリーで研鑽を積み、2002年に父親の畑を引き継いでワイン造りを開始。
2005年には名門ルモワスネの醸造長にも就任している。
2009年のブルゴーニュは好きだ。
白桃、洋梨、蜂蜜のニュアンス。
豊かなミネラルを持ち、酸とのバランスも良い。
しっかりとした骨格を持つ、素晴らしいシャルドネだ。
クローディ・ジョバールのワインは『ひらまつ』の直輸入品であり、グループのレストランでしか飲むことができない。
セコンド・ピアットのペッシは、自家製フォカッチャと焼き上げた真鯛、和野菜を添えて。
素材の旨味をあっさりとした味付けで引き出した料理は、辛口のリュリーと合ってとても美味い。
今夜の赤ワインは、コート・デュ・ローヌのアラン・ガルティが造る、コート・デュ・ヴィヴァレ、2007年。
アラン・ガルティはコート・デュ・ヴィヴァレを代表する造り手。
コート・デュ・ヴィヴァレは1999年に昇格した新しいAOCだが、アラン・ガルティは例外的に1995年からAOCを認められていた。
とても濃いガーネット。
ラズベリー、カシス、プラム、そしてスパイシーなハーブのニュアンスも。
豊かな果実味と重厚な熟成感、強くて洗練されたボディ。
ぶどうはビオディナミで栽培され、セパージュはシラー70%、グルナッシュ30%。
カルネは、黒胡椒風味で煮込んだ牛頬肉、無農薬栽培”さやあかね”のコントルノ。
牛頬肉は口の中で溶けてしまう柔らかさ。
”さやあかね”は北海道で開発された交配品種で、今夜使われたのは2年熟成品。
銀座の『アルジェントASO』で彼女と過ごす素敵な夜は、続きます。