彼女と、代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』で開かれたパーティに出席。
このお店は、『ポール・ボキューズ』の旗艦店になる前は『シンポジオン』と言う名の素晴らしいフレンチだった。
『シンポジオン』は、プラトンの”饗宴”からとった名前である。
その頃から時々来ていたので、馴染み深い店である。
店はこの階段を下った地下一階にある。
階段の下の中庭を囲むように、部屋が並ぶ。
広い部屋があるので、『ひらまつ』のパーティや結婚披露宴に利用されることが多い。
レセプションで名前を告げ、テーブルに案内してもらう。
パーティの出席者が次々と訪れている。
今夜の会場は、レセプションの向かい側のサロン。
ホールスタッフに案内され、テーブルに着席する。
私たちのテーブルは、部屋の中央。
周りには多くのテーブルが並び、開宴を楽しみに待つ出席者のざわめきが空間に満ちている。
テーブルの上には、今夜のメニューと『メゾン』のロゴ入りのナプキン。
他の『ポール・ボキューズ』が使うPとBをあしらったマークの上に、『メゾン』のMが組み合わされている。
ソムリエの石井さんが現れ、私たちのグラスにアペリティフを注いでくれる。
ヴーヴ・アンバルが造る、クレマン・ド・ブルゴーニュ、グラン・キュヴェ、ブリュット・ロゼ。
ヴーヴ・アンバルは、ブルゴーニュを代表するクレマン専業のメゾン。
「やっぱりヴーヴ・アンバルは美味しいわね。このロゼ、持ってる?」と彼女。
「うん、『ひらまつ』で買った、今夜のと同じものが1本セラーに入っているよ」と私。
「そのワイン、私と一緒の時に飲もうね」と彼女。
クレマンのお供に、チーズを練り込んだシュー生地の小さなアミューズが出される。
パーティが始まり、白ワインが出される。
ルーション地区のスター・ドメーヌ、ドメーヌ・ゴビーが造る、コート・カタラン、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2007年。
ゴビーのコート・カタランはレ・カルシネールを何度か飲んだことがあるが、上級キュヴェのヴィエイユ・ヴィーニュは初めて。
9年間の熟成を経て、色合いは濃い黄金色。
ぶどうは有機栽培され、セパージュはマカブ40%、グルナッシュ・ブラン25%、グルナッシュ・グリ10%、シャルドネ15%、カリニャン・ブラン10%。
アミューズ・ブーシュは、カリフラワーのムース、タラバガニとコンソメ・ジュレ。
滑らかで濃厚なムースが素晴らしい。
前菜は、フォアグラのエスカロップ、甘酸っぱいリンゴのピューレ、くるみ風味のサラダを添えて。
濃厚なフォアグラの旨味が口中に広がる。
熟成の進んだコート・カタランが強いので、とても良く合う。
代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。