ちょっと前のこと、彼女と銀座のフレンチのお店で待ち合わせ。
場所は、マロニエゲートにあるお気に入りのお店、『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』。
フランス、リヨンで1965年以来ミシュラン三ツ星を維持し続ける『ポール・ボキューズ』が日本で『ひらまつ』と提携して展開するお店である。
マロニエゲートの中は、至る所にツリーが置かれている。
エレベーターホールの天井も飾り付けられ、何時も見慣れたホールが違う場所のように輝いて見える。
10階でエレベーターを降り、『ポール・ボキューズ』のレセプションに向かう。
何時ものテーブルに着き、彼女の到着を待つ。
約束の10分以上前には着くようにしているので、のんびりメニューを検討する時間がある。
店内は広いが、今夜も満席なのだそうだ。
彼女が到着したので急いで席を立ち、椅子を引いて待つ。
彼女を案内してきた顔馴染みのスタッフは椅子を引くという仕事が無くなったので、私の隣に立って微笑んで見守ってくれる。
ソムリエの大友さんが今夜のアペリティフ・メゾンをテーブルに届けてくれた。
甘いストロベリーの香り。
口に含むと、酸味が効いた爽快なスパークリング。
イチゴのピューレをクレマン・ド・ブルゴーニュで割って作ったとのこと。
使われているのは、ブルゴーニュ最大のクレマン専業メゾン、ヴーヴ・アンバルが造る、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ミレジム、2014年。
アペリティフに合わせる前菜は、鶏胸肉とフォアグラのガランティーヌ、ビーツのサラダ仕立て。
テーブルに届くと同時に手を付けてしまい、撮影忘れ。
食べてしまった後に気が付いたので、代わりにバケットを撮影。
冷凍で届いたフランスのポール・ボキューズ製の生地を、日本で焼き上げたもの。
白ワインは、トリンバック、ピノ・グリ、キュヴェ・パルティキュリエール、2010年。
アルザスの名門、トリンバックが『ひらまつ』のために選りすぐった特別なキュヴェ。
ボトルには”Hiramatsu”の名前が入っており、『ひらまつ』の系列店でしか飲むことが出来ないキュヴェである。
トリンバックは1626年から12代にわたって家族経営を続け、フランスのミシュラン三ツ星レストランの全てでワインリストに掲載されている唯一のアルザス・ワインなのだ。
洋梨のふくよかな香りとシャープな酸味を持つ、しっかりとしたストラクチャーのピノ・グリである。
「エチケットが似ているのでヒューゲルと間違えてしまいそうだけど、トリンバックのピノ・グリは美味しいから好きよ」と彼女。
彼女は先日アルザスのヒューゲルのオーナーと話した時、彼がとてもスノッブな感じだったのでヒューゲルの評価を一挙に下げている。
それだけに一層トリンバックが美味しく感じるのかもしれない。
ピノ・グリに合わせる魚料理は、柔らかく蒸し上げた真鱈、浅蜊と白菜のア・ラ・クレーム、エストラゴン風味のベアルネーズソース。
真鱈の身はふわっと柔らかく輝いている。
口の中で溶けてしまいそうな美味しさ。
銀座の『ブラッセリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜の続きは、また明日。