神宮前にあるハンガリー料理のお店『アズ・フィノム』で開催した、「魅惑のハンガリー料理とハンガリーワインの会」の続き。
会の参加者は、kennyさん、うっかり姫さん、KEiさん、そして私。
『アズ・フィノム』のオーナーは、日本ハンガリー友好協会理事で、ハンガリー友好騎士十字勲章受章者の東(あずま)孝江さん。
シェフは、ハンガリー人のジュリナ・ジョルジュ氏。
東さんが率いるAZ GROUPでは、ハンガリー・ワインやジョルナイの磁器等の販売も行っており、『アズ・フィノム』には、美しいジョルナイの磁器が展示されている。
ハンガリーを愛したシシィ(オーストリア=ハンガリー帝国エリーザベト皇妃)の写真や記念する品々も飾られている。
ジョルナイは、ハンガリーの古都ペーチで1853年に創業した、ハンガリーを代表する磁器のひとつ。
今夜の食事に使われているのは、このポンパドール<Ⅰ>シリーズ。
濃紺の縁取りに描かれた黄金の模様が美しい。
他にも、シシィ、バタフライ等、幾つかのシリーズがある。
スパークリング、貴腐ワイン、白ワインに続くボトルは、ユハース、エグリ・ピカヴェール。
エゲル地方で造られる、”牡牛の血”と呼ばれる赤ワイン。
トルコ軍に攻められたときに、ハンガリー軍がエグリ・ピカヴェールを飲んで勇気を奮い起こして立ち向かったところ、当時ワインを知らなかったトルコ軍が、ハンガリーの兵士は”牡牛の血”を飲んでいると勘違いし恐れおののいたとの逸話による。
一時期は牛の絵が描かれたエチケットの安いエグリ・ピカヴェールが、牛肉用ワインとして売られていたことから安物ワインとのイメージが付いてしまったが、良質のエグリ・ピカヴェールはとても美味い。
ユハースが造るこのエグリ・ピカヴェールも洗練されたボディを持っている。
ぶどうはケークフランコシュを中心に、三種類以上の品種がブレンドされている。
ここで、もう一本の赤ワインが出された。
kennyさんがハンガリーから持ち帰られた、素晴らしい赤ワイン。
ヴィッラニ地方のゲレが造る、コパール、2003年。
ぶどうの出来が良い年にしか造られない、特別なワインである。
左がエグリ・ピカヴェールで、右がコパール。
コパールがいかに濃いかよくわかる。
ぶどうはカベルネ・フラン50%、メルロー40%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%で、16か月間オーク樽で熟成されている。
メイン料理は、マンガリッツァ豚のソテー、ポテトのプディング、キャベツとアップル添え。
マンガリッツァ豚は日本でも有名になった、ハンガリーの国宝。
ハンガリー政府は2004年にマンガリッツァ豚を”食べられる国宝”に認定している。
これがマンガリッツァ豚。
スペインのイベリコ豚と同じ系統なのだそうだ。
イベリコ豚の餌がドングリなのに対し、マンガリッツァ豚の餌は大麦、小麦、トウモロコシ、ひまわり、カボチャ、ナッツ等。
冬はー30℃になる厳寒の地で飼育されていることから長い毛を持ち、”羊毛の豚”とも呼ばれているそうだ。
食後は、ディジェスティフ。
これもkennyさん差し入れの、アガルディ、ビルス、パーリンカ。
パーリンカは、ハンガリーのフルーツブランデー。
Birsとは、英語でQuince、和名はマルメロで、西洋かりんとも呼ばれている。
マルメロというのはポルトガル語のようだ。
素晴らしい香り。
40度の液体が胃に染み渡る。
食後に飲むと、消化が促進される。
ショロム地方のデザート、ビターチョコレートソース。
元々は伝統的な郷土料理だそうだが、ジュリナ・シェフの創作の要素が強いとのこと。
kennyさんとKEiさんはホットコーヒー。
うっかり姫さんと私は、ハーブティー。
ミルクポットもシュガーポットも、ジョルナイのポンパドール。
今夜飲んだワインたち(抜栓前の写真です)。
左三本がお店から、右三本がkennyさんからのもの。
これは、明らかに飲み過ぎ。
時計を見ると、4時間もここに居たことに気が付いた。
東さんとジュリナさんにお礼を述べ、店を後にする。
kennyさん、素晴らしいワインと楽しいお話をありがとうございました。
うっかり姫さん、KEiさん、素敵な時間を共有させていただきありがとうございました。
よく食べよく飲み、楽しい会話に満足した、”魅惑のハンガリー料理とハンガリーワインの会”でした。