中秋の名月の夜、彼女と中目黒で待ち合わせ。
残念ながら空は雲に覆われ、月は見えない。
春の桜と夏の青の洞門の時期を除くと、目黒川はひっそりと静まり返っている。
目黒川沿いの道をしばらく歩くと、今夜のお店、『マーク・マツオカ・グリル』が現れる。
季節が良いので、店は開け放たれ、テラス席のようになっている。
このお店の道を渡った対面には、宇宙人の焼き鳥屋、『とりまる』。
以前、PEDROさん、chinatsuさんのアレンジで、しづちゃん、nekonekoさん、ノムリエさん、ハバネロ将軍さん、vinさんと一緒に、城戸ワインと小布施ワインを飲んだお店だ。
店の中には、オープンキッチン。
時間が早いので店内は空いていたが、一時間もするとほとんど満席となった。
ここは、肉の卸問屋がプロデュースしたお店。
メニューの表紙は、マスコットの牛。
最初見たときは山羊かと思ったが、牛肉尽しのメニューを見た後は、牛に違いないと納得。
白ワインのボトルは、お店のハウス・ワイン、オリジナル・ホワイト・ワイン。
ハウス・ワインにはスパークリングと赤もあり、エチケットは同じ牛の絵の色違いとなっている。
何処の誰が造るワインか裏ラベルをチェックして、驚いた。
ニュージーランド、マールボロのソーヴィニヨン・ブラン、2016年の、クリーン・スキン・ワインなのだ。
クリーン・スキン・ワインとは、オーストラリアとニュージーランドで行われている販売方法で、豊作等でワインが出来過ぎてしまったときに、ノーブランド(=クリーン・スキン)で販売する方法。
従って価格は安く、ボトルには産地、ぶどう品種、ヴィンテージのみ表記されている。
マールボロのソーヴィニヨン・ブランらしく、爽やかな柑橘系の香りと活き活きとした酸を持っている。
一流ブランドのワインを安く飲むことが出来る、嬉しい制度だ。
最初の料理は、オリエンタル・シーフード・サラダ。
オリジナル・スパイシー・ドレッシングが付いている。
取り分けるのは私の役目。
野菜が元気にピンピンしているので、取り皿に収まりにくい。
サーモンとエビが入っていて、上にはクリームチーズが載っている。
続いて、マグロのタタキ。
付け合わせは、茗荷、紅芯大根、カイワレ大根、そして山葵の葉。
マグロは、良い具合に生。
マグロに付け合わせを載せて口に入れる。
美味しいが、山葵の葉がめちゃ辛い。
続いて、焼き野菜のバーニャカウダ。
薩摩芋、茄子、茗荷、ベビーコーン、小玉葱、ジャガイモ、赤と黄のパプリカ、等々。
「好きなものを食べようよ」と私。
「駄目。全部半分に切って」と彼女。
この場合、ベビーコーンもパプリカも上下に切り分けてはいけない。
彼女が言う半分とは、上下で味が異なるので、縦に二等分することなのだ。
これは結構大変な作業。
「わあ、綺麗に切ってくれたのね。ありがとう」と彼女に言われると、苦労が報われる。
ソースは普通のバーニャカウダソースではなく、トマトミソソースを選んだ。
これが美味しくて大正解。
中目黒の話題の肉料理店、『マーク・マツオカ・グリル』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。