中目黒の『マーク・マツオカ・グリル』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
赤ワインは、ニュージーランド、マールボロのピノ・ノワールを選んだ。
ワイラウ・リヴァー・ワインズ・エステートが造る、ワイラウ・リヴァー、ピノ・ノワール、2013年。
今夜は白ワインも赤ワインも、ニュージーランド南島北部のマールボロ産。
最初は温度が低かったので苦みを感じたが、温度が上がってくるとふくよかな果実味が姿を現した。
ラズベリーやストロベリーのニュアンス。
タンニンは柔らかで酸は控え目。
マッシュルームとチーズのぐつぐつ溶岩焼き。
熱々のチーズのあふれ方が豪快。
パンに乗せて食べると美味い。
器の周りにこぼれているチーズもパンで拭き取って食べる。
店のお薦めメニュー、シェフ・ジョージの手詰めソーセージ。
ポークとビーフの手作りソーセージなのだそうだ。
これが予想以上の美味しさ。
彼女も久し振りに食べる美味しいソーセージだとのこと。
お店の看板メニュー、牛の五種盛り。
レアーで焼いてもらうように頼んだ。
腿のシンタマの一部の希少な部分。
腿肉の一部ではあっても、サシが入った美味い部位だ。
ザブトンはハネシタとも呼ばれる肩ロースの肋骨側にある部位で、サシがはいっている。
希少部位?
どの部位か聞こうと思いながら、聞き忘れ。
ウチヒラは、ウチモモのこと。
サシが少ない赤身肉である。
肩サンカクは、肩バラ肉の一部で、肋骨の前方三分の一あたり。
赤身の美味い部位だ。
肉に合わせて食べるのに、12種類の塩が出される。
ブルーロックソルト、スモークピンクロック、ルビーロックソルト、オーストラリアリバー、ハワイアンブラック、本わさび、能登の竹炭塩、レモンピラミッド、ヒマラヤローズ、スモークピラミッド、ハワイアンレッド、屋我地の天然海塩。
12種類を次々味わってみる。
ひとつひとつ特徴があって美味い。
「今夜は塩分摂取過多ね」と彼女が笑う。
「塩分を排出するために、今夜は汗をかく運動が必要だね」と私。
メニューの中には、肉の部位を示す絵が付いている。
赤身か霜降りかを示す表が付いているのはとても良い。
二人で、「なるほど」と言いながら、お勉強。
デザートは、お店の人気メニュー、ダッチベイビーパンケーキから選んだ。
彼女が選んだのはアップルシナモンにヴァニラ・アイスクリームのトッピング。
私のは、パッションマンゴー。
冷たいアイスクリームがいっぱい詰まっているので、歯が冷えて痛くなりそうだ。
でも美味しい。
食後の濃厚なコーヒーが美味い。
よく見ると、テーブル上のローソク立てはハロウィン仕様。
炎が揺らめくと、お化けがふわふわと漂っているように見える。
店を出ると、目黒川沿いを肩を並べて散策。
「今夜は中秋の名月は見えないようだね」
「残念ね」
などど話していると、雲の切れ目から月が顔を出す。
「わあ、綺麗。観ることができて良かったわね」と彼女。
「美しく、欠けるところが無い。君は僕の中秋の名月だよ」と私。
「また意味不明。今夜はそんなに飲んでないと思うけど」と彼女。
中目黒の中秋の名月の夜は素敵に更けて行きました。