銀座の『ブラッセリー ポール・ボキューズ』でワイン会を開催したあとは、コリドー街の『トロ・ガストロ・バー・トーキョー』でテキーラ。
気が付くと日付が変わり、終電の時間。
Winenokotoさんは合流した後輩さんと更に飲まれるとのことで、ここでお別れ。
急いで店を出ると、一番近い日比谷線日比谷駅に向かう。
ここでショーコさんと運命の分かれ道。
ショーコさんの方面は終電に間に合ったが、私の方面は終電が出てしまっていた。
駅員さんにJRはまだありますよと言われ、東京駅地下ホームに向かう。
東京駅で乗りたい電車は終了。
動いているのは山手線と京浜東北線だけだが、東京駅が私の家に一番近い駅。
乗れば乗るほど逆に家が遠ざかるのだ。
可能性を求めて広い駅構内を彷徨っている内に午前一時を過ぎ、八重洲側に出る。
雪が降りしきる中、終電が終わって少し時間が経ったのでタクシーが居ない。
そこで銀座まで戻れば何とかなるだろうと、雪の中を歩く。
歩くうちに、お腹が空いてきた。
最後に食べてから、もう4時間余り経っている。
そこで少しお腹に入れることにした。
コリドー街周辺には、深夜営業、24時間営業の店が幾つもある。
その内の一軒、カウンター席が賑わっている店を見付けた。
ドアを開けると、カウンターの先客が横に詰めてくれ、私の席を空けてくれた。
まずは生ビール。
席を空けてくれた常連さんが乾杯と声を掛けてくれる。
赤い蝶ネクタイをしたお洒落な老人だ。
時間はもうすぐ午前二時。
ジョッキを持ち上げると、紙ナプキンに書かれた文章が現れた。
その歳まで粋になれないということは、私は永久に粋になれそうにない。
ビールのお供に出されたのは、もやしナムル。
これが結構美味い。
お隣の席の常連さんが美味いよと勧めてくれた餃子を注文。
小振りの餃子が8個羽根で繋がったものが2連、目の前に出された。
これは美味いが、結構なヴォリュームがある。
ビールを二杯飲み、餃子を食べたあとは、レモンハイ。
お隣の赤い蝶ネクタイの老人と話が弾む。
彼がトイレに立った時に店長さんが教えてくれた話では、銀座でバーを経営されていたのだそうだ。
今は引退し、毎晩のようにこのお店で深夜に飲まれているとのこと。
レモンハイに合わせて、鶏のパリパリ揚げ。
鶏皮がパリパリで身はジューシー。
ポン酢おろしと合って美味い。
お隣さんとの話が面白く、気が付くと既に午前三時過ぎ。
車を拾って帰ろうかと立ち上がったが、お隣さんが「折角出会ったのだからこれも何かの縁、もう少し飲みましょうよ」と誘われ、再び腰を下ろす。
九条ネギ餃子を注文。
中に九条ネギが入っているのかと思ったが、皮まで緑色。
更にレモンハイを注文し、飲みながらお話ししていると、時間は午前四時。
お隣さんも帰られるというので、お会計を済ませ、まだ降りしきる雪の中に出るとタクシーに乗り込む。
何とか帰宅することができたが、銀座での長い一日だった。
実はランチの約束があったので、三時間ほど睡眠をとり、熱いシャワーをたっぷり浴びると、今度は神楽坂に向かったのでした。