京橋のクロアチア料理のお店、『ドブロ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
前菜盛合わせのあとは、クロアチアの伝統料理、シュトゥルクリ。
自家製の平パスタ生地でフレッシュチーズを巻いて茹でた料理。
二人に取り分けるのは私の役目。
一個でもこんなに大きい。
中には、カッテージチーズ、サワークリーム、卵を混ぜたペーストがたっぷり詰まっている。
シュトゥルクリには茹でたクニハ・シュトゥルクリと、焼いたペチェニ・シュトゥルクリがあり、これは正確にはクニハ・シュトゥルクリ。
ソースを拭きとって食べるためには、パンは必須。
赤ワインはボトルで注文。
ボディが強い熟成タイプをお願いし、ワインエキスパートでもある中島マネジャーに選んでもらった。
イヴァン・ドラッツ、プラヴァツ・マリ、2009年。
ダルマチア地方の沿岸、アドリア海に浮かぶフヴァル島のワイン。
アドリア海の小さな島に渡り、泳いだことを思い出す。
その島はヌーディストの島で、島に上陸するにあたり、服を全て脱ぎ、荷物を預け、自然な姿で半日を過ごした。
自然派ワインなのだろうか、最初は還元臭が鼻を衝く。
濃厚な果実味、ブラックベリー、カシス、プラム、紅茶、シガーのニュアンス。
どこか馴染みのある味だと思ったら、ぶどうのプラヴァツ・マリはジンファンデルの親戚なのだそうだ。
ということは、アドリア海を挟んだイタリア、プーリア州のプリミティーヴォとも親戚ということ。
色合いはとても濃い。
アルコール度数は14%。
クロアチアを代表する伝統料理、サルマ。
三週間塩漬けしたキャベツで巻いたロールキャベツだ。
言わばザワークラウトを使ったロールキャベツで、ほのかな酸味が美味い。
トルコにもヤプラック・サルマという、味付きご飯を塩漬けしたぶどうの葉で巻いた料理がある。
ヤプラックは葉、サルマは巻くという意味。
バルカン半島は500年間にわたりオスマントルコの支配下にあったので、トルコ文化の影響を強く受けている。
一方、ロールキャベツはハンガリーが起源と言われている。
このサルマは、ハンガリー料理とトルコ料理が合体したものなかもしれない。
クロアチア産本マグロのカツレツ、レア仕上げ。
クロアチアではアドリア海でのクロマグロの養殖が盛んで、日本にも年間2,000tものクロマグロがクロアチアから輸入されている。
外はカリカリ、中はとろっとレアで美味い。
パスティツァーダ、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み。
クロアチア、ダルマチア地方の赤ワインで煮込まれているそうだ。
トロトロに煮込まれた肉が美味しそう。
添えられているのは、ジャガイモのニョッキ。
二人に取り分けても、このヴォリューム。
でも美味しいので二人とも完食。
「デザートはどうする?」と私。
「もちろん食べるわよ。デザート・メニューをお願いしてね」と彼女。
彼女が選んだのは、クロアチアン・クレープ、パラチンカ。
クルミ砂糖とベリーソースの2種類を味わえる至福のデザートなのだそうだ。
彼女の飲み物はコーヒー。
「お腹いっぱいでデザートはもう無理」、という回答を予想して聞いたのだが、これだけ食べたあとにクレープを注文するとはと、絶句。
「貴方は何にするの」と聞かれ、一番軽そうな季節のアイスクリームを注文。
今日は、苺のアイスクリーム。
私の飲み物は、クロアチアン・ハーブティー。
カモミールなのだそうだ。
木片を編んで作られたハート型の篭が可愛い。
食後は、中島マネジャーと、今夜の料理とワインに関して意見交換。
皆さんに見送られ、満ち足りた気分で店をあとにする。
今夜も食べ過ぎ飲み過ぎなので、東京駅まで歩くことにする。
そう言えば、『京橋 酛』で食べた後も、mayuさんとpoohcoco-papaさんと東京駅まで散策した。
京橋も再開発が進み、綺麗になっている。
明治屋に立ちより、お買い物。
ワインの試飲もしてしまう。
さて、そろそろ東京駅に向かうことにしよう。
八重洲口のノースタワーが夜空に美しく輝いている。
彼女と過ごす京橋の夜は素敵に更けていきました。