銀座の何時ものフレンチ、『ブラッセリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
赤ワインは私が好きな素晴らしい造り手のもの。
ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴ、テール・ショード・ソミュール・シャンピニー、2011年。
ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴの当主、ティエリー・ジェルマンは、ロワール最高峰の造り手の一人と称され、そのワインは高い評価を得ている。
ただ問題は、このワインのぶどうはカベルネ・フラン100%であること。
彼女はカベルネ・フランが苦手で、そうとわかると飲まないのだ。
でも、このワインは美味しいので飲んでもらいたい。
そこでソムリエの大友さんにお願いし、サーブする前にぶどうを明らかにしないようにしてもらった。
作戦は成功。
「果実味が素晴らしいわね。ぶどうは何なの」と彼女。
「実はカベルネ・フラン100%なんだよ」と私。
「青臭くなくて美味しいので、フランとはわからなかったわ」
ぶどう栽培はビオディナミで、樹齢は35~45年。
手摘み後コンクリートタンクで発酵させ、木樽で澱と共に熟成。
清澄・濾過を行わずに瓶詰されている。
豚フィレ肉のパネ、ロケットサラダ添え。
フロマージュのクリームで軽く煮込んだジャガイモと一緒に。
ルッコラ(イタリア語)と呼ばれることが多いが、ここはフレンチなのでロケット(フランス語)表記となっている。
豚フィレ肉のパネは、いわばヒレカツ。
柔らかなフィレ肉は甘みがあって旨い。
ディジェスティフは、フランジェリコ。
イタリアのバルベロ社が造る、ヘーゼルナッツを主原料とするリキュールで、アルコール度数は24%。
名前の由来は、300年以上前にピエモンテ州とリグリア州の境の山中で、托鉢僧のフラ・アンジェリコが野性のヘーゼルナッツから酒を造ったとされることによる。
だからボトルも、托鉢僧の姿になっている。
ヘーゼルナッツの香りが素晴らしい。
これなら何杯でも飲んでしまいそうだ。
”ヌガーグラッセ”、ほろ苦いチョコレートソース。
甘酸っぱいアプリコットのクーリーと共に。
ヌガーグラッセは、ハチミツ風味のメレンゲと生クリームを使った氷菓で、ナッツやドライフルーツ、キルシュが入っている。
「今夜も美味しかったわね」と彼女。
「星野シェフの料理は、本店の伝統を踏まえながら新鮮味を加えて美しく仕上げられているね」と私。
竹内支配人、星野料理長、大友ソムリエに今夜の礼を述べ、見送られて店をあとにする。
一度有楽町駅方向に行き、ファミマでサラダを購入。
ガード下には、今夜もストリートミュージシャンが演奏をしている。
再びマロニエ通りに戻り、銀座通りに向かう。
バーバリーのショーウィンドウからマネキンが消えた。
よく見ると、植え込みの下にはバッグの展示。
モンクレールのディスプレイは何時も目を惹く。
伸びた植物の茎の先には、恐ろしい歯を持つ花の怪物。
エントランスの右側のショーウィンドウにも花の怪物。
今にもマネキンの頭に噛みつきそうだ。
マックスマーラの色調を抑えたディスプレイも好きだ。
エルメスは服のディスプレイではなく、バッグ主体。
ルイ・ヴィトンのディスプレイは若者向き。
足元がスニーカーなのが可愛い。
銀座通りに出た。
右が、ヴァンクリーフ&アーペル。
左が改装中のショーメ銀座本店(6月2日にリニューアルオープンしています)。
彼女と過ごす銀座の夜は素敵に更けていきました。