以前、神楽坂で4人のブロガーの会を開催した。
同じメンバーでまた飲もうということになり、本郷~根津での散歩&ディナーの会を企画した。
ところが、企画した日程ではみんみんさんはご都合が付かず、ショーコさんは海外旅行と重なってしまった。
ちぃさんと二人になってしまったが、他に日程も合わないので決行することに。
待ち合わせ場所は、本郷三丁目。
私は通い慣れた丸の内線の本郷三丁目駅。
ちぃさんは大江戸線の本郷三丁目駅。
丸の内線を出ると、大江戸線に向かう。
今日はちぃさんと散歩なので、地井武男さんの”ちい散歩”ならぬ、”ちぃ散歩”だな、と面白くなる。
まず向かったのは、東大本郷キャンパスの春日門。
本郷通りの赤門から入るのが一般的だが、今日は加賀藩前田家所縁の地を巡るため、敢えて春日通りの春日門を選んだ。
春日門近くにあるのは、懐徳館庭園。
ここには前田家本邸の日本館と西洋館があったが、先の大戦で焼失してしまった。
その後に建てられた懐徳館は東大総長の迎賓館として使われており、その東側には前田家所縁の庭園、懐徳館庭園が残っている。
歩を進め、赤門へ。
外側の本郷通りから見る赤門は有名だが、これはキャンパス内から見る赤門。
「将軍家から花嫁を迎えた大名が、赤い門を作ることを許されたのですよ」などと説明。
この門は、第11代将軍徳川家斉の娘、溶姫が前田家に嫁いだときに建立されてものである。
更に歩を進め、弓道場の横から三四郎池に下る。
「ここは三代将軍家光と大御所秀忠を迎えるにあたり整備された庭園で、庭園の名前は育徳園、池の名前は心字池と言います」。
「夏目漱石の三四郎の舞台となったので、三四郎池と呼ばれるようになりました」と、解説。
池の奥で水面が波立っているところがあった。
何事かと行ってみると、多くの鯉が集まっていた。
私達の姿を見てなのか、大きな錦鯉や真っ黒な鯉も岸辺に寄ってくる。
恐らくここで餌付けされているのだろう。
都心に居るとは思えない深い緑と静寂。
しばし佇み、森の空気を味わう。
三四郎池を出ると、安田講堂に向かう。
時間が合えば久し振りに地下の食堂を見たいが、今は営業時間外。
安田講堂から、銀杏並木を正門に向かう。
途中で法文1号館に右折し、中廊下を工学部側に抜ける。
西片門から本郷通りに出ると、弥生町に向かう。
途中には、文京学院大学。
まだ仕事をしていた時に、ここで講座を持って教えたことがあるので懐かしい場所だ。
ようやく目的の場所に着いた。
「え、ここがお店なのですか」とちぃさんはびっくり。
ここはニュージーランド・ワインの聖地、『NZ BAR』。
知っていないと、ここに店があるとはわからない。
足元には、”N”と”Z”のサイン。
飛び石を渡り、奥のドアに向かう。
店の奥にはワイン・セラー。
手前には、イートイン・スペース。
ここでは奥のセラーで選んだワインを飲むこともできるし、本日のグラス・ワインを楽しむこともできる。
更に、ワインに合う軽食もサーブしてもらえるのだ。
今日は根津のワイン・ビストロを予約している。
その前にアペロで立ち寄ったので、ワインはグラスで飲むことにする。
クロ・アンリ、マールボロ、ソーヴィニヨン・ブラン、2014年。
「雨の中の本郷散策、お疲れさまでした」と、乾杯。
クロ・アンリは私が大好きなサンセールの造り手、アンリ・ブルジョワがニュージーランドに開設したワイナリー。
レモンやグレープフルーツの香り。
しっかりとしたミネラルと、複雑なストラクチャーを持つ素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだ。
すぐ前の壁には、クロ・アンリの名前と、アンリ・ブルジョワのサイン。
何とアンリ・ブルジョワがこのお店に来ているのだ。
さすがニュージーランド・ワインの聖地だけのことはある。
雨の”ちぃ散歩”は続きます。