先々月のこと、彼女と日本橋のリストランテで待ち合わせ。
大手町で仕事をしていた頃は日本橋でよく飲んでいたので、この界隈には馴染みがある。
2004年開業のコレド日本橋。
その前は東急百貨店日本橋店があった場所で、その前は白木屋百貨店だった。
1662年、寛文二年創業の老舗で、1967年に東急百貨店となり、1999年に閉店している。
白木屋と言えば、女性が下着を着用する契機となったと言われる、白木屋大火(1932年)が有名。
日本橋まで歩を進めると、日本橋の歴史を記した銘板が置かれている。
日本橋は重要文化財なのだそうだ。
そんな歴史ある日本橋の上には、首都高速道路。
経済成長最優先だったとはいえ、酷い景観だ。
早く地下化してもらいたいものだ。
麒麟像は空を奪われ、今日も空しく高速道路を見上げている。
東京市の紋章を持つ獅子像。
南詰の獅子像は阿形、北詰の獅子像は吽形。
橋の北詰には日本道路元標のレプリカが置かれている。
(本物は橋の中央に埋め込まれている。)
この柱は昔の元標で、橋の上を走っていた市電の架線の電柱と街灯を兼ねていたもの。
日本橋三越本店の新館に到着した。
この最上階、10階に今夜のお店、『代官山ASO チェレステ日本橋』がある。
ここは代官山の『リストランテASO』の日本橋店なのだ。
何故かエントランスの左右に猫の像。
本館のライオン像は有名だが、この猫像はいったいどうしたのだろう。
説明書きによると、ライオン像に憧れたネコの夢がかなったのだそうだ。
館内では、関東工芸展が開催されていた。
素晴らしい陶器や漆器が並び、思わず眺めてしまう。
時計を見ると待ち合わせ時間が迫っている。
急いで最上階に上り、店に入る。
暑い日が続いてはいるが、今夜は遅れ馳せながら桜のイメージの料理なのだそうだ。
テーブルには今夜のメニューがセットされている。
菊池料理長の料理は好きなので、今夜のメニューも楽しみだ。
テーブルの上にはガラス製の野菜の置物。
テーブルごとに異なり、私達のはピーマン。
彼女が到着すると天見支配人が現れ、最初のスパークリングをグラスに注いでくれる。
ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ロゼ。
彼女が好きな銘柄だ。
勢いのある泡立ち。
フランボワーズやチェリーの香りを持つ、素晴らしい辛口。
毎年ホワイトデーにはチョコレートとこのワインを彼女にプレゼントしている。
アミューズは、フランス・ランド産のホワイトアスパラガスのムース。
春を告げる素晴らしい食材だ。
上に乗っているのは、食感を残すように軽くソテーされたホワイトアスパラガス。
その下は、牛乳の泡とホワイトアスパラガスのムース。
そしてムースの中には、蒸して刻んだホワイトアスパラガス。
熱々のパンとホイップバターが届く。
カトラリーをよく見ると、ナイフには”Celeste Japan”と書かれている。
そしてフォークとスプーンには、ホールマーク。
左側にはEPNSの刻印、右側にはASOの刻印。
EPNSはElectro Plated Nickel Silverの略で、ニッケルで出来た本体に、銀が電気メッキされていることを示している。
日本橋のお気に入りのイタリアン、『代官山ASO チェレステ日本橋』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。