今夜は何時ものフレンチで彼女と待ち合わせ。
場所は、マロニエゲート・ギンザ1。
入り口の飾り付けは、よく見ると、金魚。
エレベーターを10階で降りると、待ち合わせ場所の『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』の前に出る。
この大理石のエントランスを通るのは、今年既に12回目。
開店と同時に入店したのでまだ陽が高く、直射日光を避けるために窓にはシェードが下ろされている。
サービステーブルには、冷えたスパークリング・ワイン。
これを見ると、飲まない訳にはいかなくなってしまう。
彼女が到着し、席を立って迎える。
彼女が席に着くと、竹内支配人がすぐに冷えたクレマンをグラスに注いでくれる。
ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2014年。
ヴーヴ・アンバルのブラン・ド・ブランのミレジムは本当に美味しい。
シャルドネ主体で、アリゴテが加えられている。
竹内支配人からのプレゼントのプティ・サレ、オリーヴのサブレ。
フランスで作られた生地を冷凍で輸入し、お店で焼いたバゲット。
今年の三月に種類が変わり、一層美味しくなった。
この鶏のリエットが美味しく、バゲットがどんどん進む。
クレマンのグラスを飲み干すと、彼女が好きな白ワインを抜栓。
ロワールのアルフォンス・メロが造る、レ・ペニタン、コート・ド・ラ・シャリテ、シャルドネ、2009年。
アルフォンス・メロはサンセール最大の造り手で、19代続く名門。
でも、このワインはサンセールではない。
サンセールとシャブリの中間地点にある、コトー・シャリトワで作られている。
ここは昔は有名なワイン産地だったが、フィロキセラで壊滅し、ワイン地図から消えた産地。
レ・ペニタンはそのコトー・シャリトワを再興させるプロジェクトで、このシャルドネ、2009年は素晴らしく美味い。
レ・ペニタンはそのコトー・シャリトワを再興させるプロジェクト。
熟成が進み、熟した洋梨、リンゴやカリンの香り。
活き活きとしたミネラルを持ち、後味には蜂蜜のニュアンスを持つ辛口。
彼女も私も大好きなシャルドネである。
サラダ・セザール、鶏胸肉のエスカロップと共に。
エスカロップは、薄切り肉の事。
セザールはシーザーのこと、つまりシーザー・サラダ。
取り分けるのは私の役目。
低温調理された胸肉が柔らかく美味い。
星野料理長の得意料理、鴨とフォアグラのパテ・アンクルート、プティ・サラダとドライフルーツのコンフィチュールを添えて。
このパテ・アンクルート、鴨とフォアグラの濃厚な味わいが素晴らしく、ピスタチオが良いアクセントとなっている。
「星野さんのパテ・アンクルートは本当に美味しいわね」と彼女。
「フランスでは、料理人の腕を知るにはパテ・アンクルートを食べればよいと言われているそうだよ」と私。
何時ものフレンチ、『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。