銀座の『ブラッセリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす寛ぎディナーの続き。
赤ワインは、お店のセラーにキープしておいたもの。
モンジャール・ミュニュレのヴォーヌ・ロマネ、2006年。
モンジャール・ミュニュレはブルゴーニュに33haを保有する大手ドメーヌ。
現当主の先代は、ヴォーヌ・ロマネの村長を務めた人物という、ヴォーヌ・ロマネの名門である。
モンジャール・ミュニュレは一部の畑をビオロジックに転換しているが、このボトルのピノ・ノワールの栽培はリュット・レゾネ。
彼女が好きな産地の好きな造り手のワインなので、ここのセラーでキープしてもらっていたのだ。
これで、キープしていた二本を飲んでしまったので、また何か美味しいワインを探すことにしよう。
魚料理は、ノルウェー産サーモンのエスカロップ、オゼイユ風味、リコッタチーズとほうれん草のラビオリ。
サーモンのオゼイユ・ソースは、『メゾン・トロワグロ』の名物料理。
彼女はサーモンが大好きなので、メニューにあれば必ずと言って良いほど注文している。
リコッタチーズとほうれん草のラビオリも美味い。
中に詰められたほうれん草の緑が透けて見えている。
魚料理を取り分ける時は、背側と腹側が均等になるように切ることが大切。
ハンガリー産マグレ鴨胸肉のロティ、新玉葱とベーコンのエチュベ、玉蜀黍のピューレとスパイシーな赤ワインソース。
この料理はメニューには無い。
彼女がマグレ鴨を食べたいと言うので、予約時に星野料理長にお願いし、特別に用意してもらった。
素晴らしい焼き色。
マグレ鴨はフォアグラを生産する鴨なので、大振りで旨味が凝縮されている。
この料理はたっぷり食べたいので、二皿用意してもらった。
来店時は明るかった空にも夕闇が迫りつつある。
すぐに夜の帳に覆われ、街々に灯りが点る。
彼女のデセールは、甘酸っぱいマンゴーのパルフェグラッセ、エキゾチックフルーツとパッションフルーツのクーリー。
確か前回もこれを食べたはず、よっぽど気に入ったようだ。
私のデセールは、ヌガーグラッセ、ほろ苦いチョコレートソースと甘酸っぱいアプリコットのクーリーと共に。
冷たいヌガーグラッセが美味い。
アプリコットの甘酸っぱさとチョコレートの甘苦さの組み合わせが素晴らしい。
「今夜はマグレ鴨をありがとう。ヴォーヌ・ロマネも美味しかったわ」と彼女は満足した様子。
星野料理長に、我儘を聞いてもらったお礼を述べ、竹内支配人に見送られて店をあとにする。
まず向かったのは、ファミマ。
彼女の翌朝のサラダを購入。
今夜は、数寄屋橋方面に散策。
マリオンが明るく輝く。
そう言えば、日劇が閉じてミッドタウン日比谷に移ったあとはどうなっているのだろう。
丸の内ピカデリーになっていた。
晴海通りを四丁目に向かって歩く。
東急プラザ銀座は今夜も明るく輝いている。
エルメスの屋上の白馬に跨る騎士像、「騎乗の花火師」が辛うじて見える。
掲げている旗はエルメスのスカーフで、季節に合わせて取り替えられている。
天賞堂の天使を後ろからそっと驚かそうとしたが、反応してくれなかった。
グッチの展示はまるでアフリカの民族衣装のようだ。
グッチのもう一つのショーウィンドウには、世界を繋ぐメッセージ。
四丁目交差点に至る。
銀座プレイスができて街が一層明るくなった。
彼女と過ごす銀座の夜は楽しく更けていきました。