丸の内散歩の続き。
三菱一号館美術館を出ると、再び同じ建物に別の入口から入ることにする。
どうせなら中から直接行けるようにすれば良いのにとも思うが、この入り口も歴史を感じさせる造りだ。
茶目子さんを案内した場所は、『カフェ1894』。
普段はカフェとして、そしてランチタイムやディナータイムにはレストランとして利用することができる。
この空間は1894年(明治27年)の三菱一号館創建当時、銀行の営業部門として使われていたところ。
店の中には窓口がそのまま残されている。
私達のテーブルは、店の中央。
ピンクの照明を当てられた壁から天井が美しい。
テーブルから見上げる天井は高く、二階の回廊の奥には昔の金庫室が見えている。
今日も暑かった。
まずはグラスの泡で乾杯。
ラシャス、ポワレ・ノルマンディー。
右手で撮影するため、二人とも左手でグラスを持っている。
ポワレはノルマンディー地方で造られる、洋梨を原料とした発泡酒。
アルコール度数は2%と低い。
リンゴを使うと、シードルになる。
シードルとポワレを原料として造られるのが、ノルマンディーの名産品、カルヴァドスである。
コースターにも、『カフェ1894』の名前。
茶目子さんはこの三角形を見て、「三菱のマークね」、とすぐに気が付く。
Cafe1894風ジヴェルニーのガーデンサラダ-彩り野菜と果実、お花-。
サラダの名前が印象派の聖地、モネの家と睡蓮の池がある”ジヴェルニーの庭”とは、さすが美術館のレストラン。
彩りが美しい。
でもロメインレタスが元気なので、皿の上で暴れて盛り付けは美しくない。
赤ワインは面白いものをボトルでオーダー。
カーヴ・デ・オンズ・コミュヌが造る、ヴァレー・ダオステ、ピノ・ノワール、2016年。
Valle d'Aosta=ヴァッレ・ダオスタはイタリアの最北西部にある、イタリア最少の州。
フランスに隣接しているため、フランス語とイタリア語の両方が使われている。
このボトルを見ると、Vallee d'Aoste=ヴァレー・ダオステとフランス語表記となっている。
ぶどう名もピノ・ネロではなく、ピノ・ノワール。
カーヴ・デ・オンズ・コミュヌは、1990年設立の生産者協同組合。
赤い果実の豊かな果実味と綺麗な酸を持つ。
タンニンは控え目。
バランスの良いミディアム・ボディである。
昆布〆真鯛のカルパチョ、聖護院蕪の柚子マリネと抹茶のオリーブオイル。
プリプリの真鯛に和風のオリーブオイルドレッシングが良く合う。
淡路産牛のローストビーフ、グレービーソース、西洋ワサビ、クレソンを添えて。
グレービーソースをたっぷりかけて食べると美味い。
食事を終え、ワインを飲み干しても時間はまだ早い。
そこで八重洲側に行き、懐かしいお店に茶目子さんを案内することに。
明るく輝くグランルーフの向こう側には、丸の内側の丸ビルが見えている。
八重洲側も再開発が進み、高層ビルが目立ち始めた。
それでも、外堀通りの東側には昔ながらの飲食街が残っている。
向かったのは、若い頃によく通った中華料理店、『泰興楼』。
1949年創業の老舗で、ジャンボ餃子で有名。
何時も満席のお店だが、最初に入った客が丁度帰る時間だったので、直ぐに二階のテーブルを確保することができた。
ドラフトビアで乾杯。
グラスには、サッポロのマークに加え、泰興楼のマークも入っている。
海老蒸し餃子。
ぎっしり詰まった身がプリプリで美味い。
これが名物のジャンボ餃子。
大きさは12cmほどもあり、創業以来変わらぬ味と大きさだ。
テーブルには調味料。
それぞれ好きな漬けタレを作る。
酢を入れるか入れないか、好みが異なるのも面白い。
ジャンボ餃子の変わらぬ大きさと味が懐かしく美味い。
ブリックスクエアの『マルゴ丸の内』に始まり、丸の内仲通り、KITTEの『東京から揚げバル』、三菱一号館美術館でのショーメ特別展、『カフェ1894』、そして八重洲の『泰興楼』を茶目子さんと巡った、楽しい一日でした。