ディジョンの人気のレストラン、『プッコワ・パ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
グランド・メニューに加え、黒板に書かれた今夜のおすすめメニューを見ながら、彼女と今夜の組み立てを検討する。
解らない料理名や食材名があるとお店の方に質問するので時間が掛る。
英語が一切通じないので、質問は全て彼女任せ。
飲んでいるワインは、ガルニエ・エ・フィスが造る、コート・ド・ジュアン、シャブリ、プルミエ・クリュ、2016年。
薄切りにしてパリっと焼いたバゲットとタプナードがシャブリに良く合って美味い。
外は寒いので、彼女が暖かいスープを飲みたいということで注文。
シャンピニヨンのポタージュはとてもクリーミーで美味い。
魚料理はサーモン。
フランス人はサーモンが好きで、フレンチでは定番メニュー。
そして彼女もサーモンが好きなのだ。
それにしても、この盛り付けはなかなかユニーク。
薄いクラッカーに開いた穴からサーモンと野菜が顔を出している。
クラッカーの裏を見ると、サーモンはかなりの肉厚。
チコリの芯がそのまま半割りで出されている。
下に敷かれたソースを付けて食べると美味い。
皮はパリッと焼かれているが、身は真空調理されたようで、生の食感を残している。
シャブリ、プルミエ・クリュがかなり美味しく、話しながら飲んでいるとボトルが空になってしまった。
そこでピノ・ノワールのボトルを注文することにする。
選んだのは、彼女が好きなニュイ・サン・ジョルジュのワイン。
ニュイ・サン・ジョルジュ屈指の造り手、ドメーヌ・アラン・ミシュロの、ニュイ・サン・ジョルジュ、オー・シャン・ペルドワ、2012年。
アラン・ミシュロはニュイ・サン・ジョルジュとモレ・サン・ドニに畑を有する、ニュイ・サン・ジョルジュの造り手。
三代にわたる醸造家で、ニュイ・サン・ジョルジュの巨匠の一人と称されている。
コルクは長さも品質も素晴らしい。
香りも状態も良い。
素晴らしい果実の凝縮感と熟成感。
時間と共に香りが開き、溶け込んだタンニンも円やかさを増す。
美味い、さすがアラン・ミシュロだ。
肉用のナイフ、ラギオールが届く。
マグレ鴨のロティ。
マグレ鴨は二人の好物。
皿を回して後ろ側から見てみると、美味しそうな焼き色。
「大好きなマグレ鴨を、ブルゴーニュでニュイ・サン・ジョルジュを飲みながら食べることが出来るだなんて、幸せ」と彼女。
そして素晴らしい肉の質感。
これは大きなマグレ鴨だ。
鴨の下に敷かれているのは、ポレンタ。
茄子が一個丸々添えられている。
デセールは、二人ともフロマージュ・ブランを選ぶ。
彼女のは、チョコレートソース。
デセールが大好きな彼女も、あまりに量が多いので食べきるのに苦労している。
私のフロマージュ・ブランは、フランボワーズのソース。
何故かこちらはソースが別に出された。
白いフロマージュ・ブランの上に広がる赤いフランボワーズソースが美しい。
確かに量が多く、私も完食に一苦労。
やはりこちらの量は日本のフレンチに較べると半端ではない。
会計を済ますと、また是非来てくださいとショップ・カードを渡してくれた。
店の皆さんにお礼を述べ、いっぱいになったお腹と共に店をあとにする。
宿泊ホテル、シャポー・ルージュに戻ると、外壁が明るくイルミネーションで輝いている。
ディジョンの『プッコワ・パ』での楽しいディナーの夜は、素敵に更けて行きました。