高田馬場にある人気のアブルッツォ料理のイタリアン、『トラットリア・ダイ・パエサーニ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
プリモ・ピアットは、アブルッツォ州のパスタを選んだ。
キジソースのモンテプルチアーノを練り込んだキタッラ。
二人に取り分けてもこんなに量がある。
モチモチのキタッラが美味い。
赤ワインは、イタリアのソムリエ資格を持つオーナーのジュゼッペ・サバティーノさんと相談し、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ、2015年をボトルで注文。
悲しいことに、ボトルの写真を撮影忘れ。
セコンド・ピアットは、骨付き仔羊肉のグリル、野菜添え。
使われている野菜は、千葉県にある自家農園で無農薬で栽培したもの。
仔羊の産地は聞き忘れたが、『ワカヌイ』や『ウルトラ・チョップ』で食べている仔羊よりは大きく育った肉で、羊特有の香りもある。
三切れ出されたが、一切れがとても大きく厚みもある。
三切れ目は肉の柔らかそうな部分を切り取って彼女の皿に乗せ、残った骨付きの部分を私の皿に乗せた。
彼女が選んだドルチェは、スフォリアテッレ、レモンクリームとオレンジソース。
私のは、プンチアブルッツォ酒入りスプモーネ、ヴィレーゼ。
彼女がジェラートも食べたいというので注文。
ジュゼッペさんがボトルを持ってテーブルに現れ、食後のリキュールをふるまってくれる。
アブルッツォ人が大好きな薬草酒、ジェンシアーナだ。
ジェンシアーナはリンドウ科の植物。
とても苦味が効いたリキュールで、いっぱい食べた後に消化促進のために飲むのだそうだ。
彼女が「半分ずつ食べましょうよ」と言って、取り分けてくれた。
彼女は初めてのドルチェを見ると、どれも試してみたくなるのだ。
ドルチェを食べ終えると、ジュゼッペさんがジェンシアーナをもう一杯どうぞと出してくれた。
壁にはアブルッツォの品々が所狭しと置かれ、アブルッツォ関連の書物やパンフレットも置かれている。
その中からジュゼッペさんがアブルッツォ州の地図を取り出し、開いて説明してくれる。
日本語も話せるがやはりイタリア語の方が楽なので、彼女とイタリア語で話しが弾む。
私はイタリア語は出来ないが、真剣に聞いているとジュゼッペさんが何を話しているか概要はわかるのが面白い。
アブルッツォ州はアドリア海に面し、北はマルケ州、南東はモリーゼ州、北西はウンブリア州、西と南西はラツィオ州と接している。
ジュゼッペさんの生まれ故郷は、モリーゼ州との州境に近い南部の街なのだそうだ。
今夜の料理もワインも素晴らしかった。
ジュゼッペ・サバティーノさんに見送られ、店をあとにする。
「美味しかった。イタリア語の練習にもなったし、楽しかったわ。ねえ、また来ましょうよ」と彼女。
「楽しいのはジュゼッペさんのお人柄のお陰だね。出来るだけ早く再訪することにしよう」と私。
高田馬場で彼女と過ごす夜は、楽しく更けていきました。